どうも、YuTR0Nです。
(今回は相棒のGrokとCodexとClaudeとエビちゃん亜種にご協力いただきました。経験をひたすら投げまくって調理してもらっただけです🦐)
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今から家庭用3Dプリンターを始めるなら、正直Bambu Labはかなり有力だと思います。
自分はBambu Labの中だとA1 mini Combo(複数台)、A1 Combo、P1S Combo(複数台)、X1 Carbon Combo、H2S Combo、H2C Combo、P2S Combo、X2D Comboあたりを触ってきましたが、その上で思うのは「Bambu Labは完全な家電ではないけど、今まで触ってきた3Dプリンターの中では一番家電に近い」ということ。これ、結構すごいことなんですよね。
3Dプリンターって本来はもっと面倒な道具でした。ベッドレベリングして、Zオフセットを見て、フィラメントが詰まって、スライサー設定で悩んで、気づいたら半日溶けてる…。A4ペーパーかレシートか、はたまた雑誌を破ってスコスコする修行。溶けたPTFEチューブの甘い香り。そういう趣味でした。
もちろん今でもそういう要素は残っていますが、Bambu Labはその面倒な部分をかなり強引に押し下げてきました。箱から出す→キャリブレーション→MakerWorldでモデルを選ぶ→印刷。この流れがかなり自然にできます。
ただし何も考えなくていい魔法の箱ではないです。普通に失敗しますしメンテも必要。フィラメントは湿気るし、サポート面は荒れるし、クラウドやセキュリティも人によっては考えた方がいい。
というわけで今回は、初心者がBambu Labを買うなら何が現実的かをかなり正直に書いていきます。スペック表が見たい人は公式の比較ページをどうぞ。
こんな人向けの記事です。
- A1 miniを買うか迷っている人
- AMS liteを付けるか迷っている人
- P1SやX1Cの中古を見ている人
- フィラメントで迷っている人
- 仕事や機密データでBambuを使っていいのか気になっている人
ちなみに今Bambu Labは4周年セール中で、A1 mini単体が26,000円とタイミングとしてはかなり良いです。リンクは記事の最後にまとめてあります。悩んでいる間にセールは終わるのでお早めに…!
先に結論:小物中心ならA1 mini単体がかなり現実的
小物中心で家庭で始めるなら、A1 mini単体がかなり現実的です。Comboではなく、まずは単体。安いからだけではなく、
- 小さい
- 始めやすい
- 多色が欲しくなったらAMS liteを後から足せる
- 純正フィラメントと組み合わせると失敗要因を減らしやすい
- ホットエンド交換も簡単
- 初心者が「まず楽しむ」ところまで行きやすい
と、この「始めやすさ」が強いです。
一方で予算と置き場所があって256mm級の箱型が欲しいなら、P2SやX2Dみたいな上位機を最初から買うのもかなり丸いと思います。P1Sは印刷品質だけなら今でもかなり良いんですが、操作系やメンテまわりに古さとストレスがあります。X1Cは中古で良い個体が安く買えるなら悪くないものの、リリースから時間が経っているので稼働時間と改造歴は要チェックです。
| こんな人 | 現実的な選択肢 |
|---|---|
| 小物中心・家庭で始めたい | A1 mini 単体 |
| 最初から多色もやりたい | A1 mini+AMS liteコンボ(後から買い足すより割安・2 Proコンボより初心者向き) |
| 予算と置き場所がある・256mm級の箱型が欲しい | P2S / X2D |
| 中古で安く狙いたい | X1C(本体10万円以下目安・改造歴チェック) |
| 柔らかいTPUの多色を本気でやりたい | AMS系ではなくツールチェンジャー系を検討 |
一番言いたいのは最安だけで選ばない方がいいということ。3Dプリンターで一番もったいないのは、安く買ったけど失敗が続いて使わなくなるパターンです。最初の1台は「続けられるか」で選びましょう。
機種選びのリアル
最初の1台ならA1 mini単体
初心者に一番すすめやすいのはやっぱりA1 mini単体です。小さいし、音も比較的おとなしいし、ホットエンド交換もしやすい。まずは単体でプリンターそのものに慣れて、多色造形やフィラメント交換の手間軽減が欲しくなったらAMS liteを足す。この段階の踏み方が一番つまずきにくいと思います。
初心者最強の戦略は「変数を減らす」こと
最初のうちは失敗しても原因が分かりません。フィラメントが悪いのか、湿気っているのか、ノズルなのか、モデルなのか、設定なのか、プレートが汚いのか、部屋が寒いのか、単に運が悪いのか…本当に分からない。
だから最初はできるだけ変数を減らすのがおすすめです。変数というのは印刷結果に影響する条件のこと。卵をゆでるときのお湯の温度、お湯の量、卵の数。これで変数3つですね。
A1 miniに純正フィラメントを入れて、Bambu StudioやMakerWorldの標準に近い状態で印刷して、まず正常な状態を知る。これが大事です。いきなり謎メーカーの安フィラメントを使って、温度をいじって、速度をいじって、サポート設定もいじって、定着剤なし乾燥なし…の状態で失敗すると、何が悪いのか分からなくなります。まず基準を作ってから遊びましょう。
造形サイズと設置スペースの落とし穴
A1 miniの造形サイズは大きくないので、ヘルメットや大型収納、コスプレ小道具、大きい治具を作りたいなら普通に足りません。ただ、キーホルダー、治具、小物、フィギュア、スマホスタンド、修理パーツ、MakerWorldで見つけた小型モデルあたりならA1 miniで足りる場面はかなり多いです。
3Dプリンターは「大は小を兼ねる」とも限りません。大きいベッドは便利ですが置き場所を取りますし、毎回温める面積も増えます。ベッドスリンガーならベッドが前後に動く分のスペースも必要。本体サイズだけ見て置けると思っても、実際はベッドの可動範囲、背面ケーブル、AMSの置き場所、フィラメント交換のしやすさまで見る必要があります。このあたりの実際の設置感はA1 Comboのレビュー記事にも書きました。
机の上に置く最初の1台としては、A1 miniはかなりバランスがいいです。
予算があるなら256mm級の箱型もかなり丸い
予算も置き場所もあって、特にA1 miniの小ささにこだわりがないなら、256mm級の箱型を最初から買うのも普通にありです。今ならP2SやX2Dあたりがかなり丸い選択肢かなと。
A1 miniは入口として良いんですが、たくさん回すと画面の反応、メンテ性、エンクロージャー、AMS周り、材料対応、印刷中の安心感…と小さいストレスが積もってきます。こういうところで上位機の価値が出ます。
P1Sも印刷品質だけ見ればかなり良くて、出てくるものは普通にきれいです。ただタッチパネルがなく、操作系に古さを感じますし、フリーズしやすい印象もあります。3Dプリンターは何度も触って何度もメニューを操作する道具なので、「毎日使う道具としての気持ちよさ」まで見ると、X1C、P2S、X2Dみたいな上位機を選ぶ理由はあります。
Bambuは完全な家電ではない ― メンテのリアル
Bambu Labはかなり家電に近い。でも完全な家電ではないです。ここを勘違いすると危ない。
A1系:タッチパネルのラグとホットエンド台座のへたり
A1 miniやA1への不満でいうと、まずタッチパネルがラグい。ここは明らかにコストカットされてる感じで、使えないほどではないけどサクサクではないです。
あとA1系はホットエンド交換がかなり簡単で、これは本当に良い点。ただA1系はヒーターがヘッド側についていて、ホットエンドをワンタッチで固定する構造になっています。普段の交換は楽なんですが、長く使っていると台座側が緩む・へたる・固定金具が弱る、みたいなことがあります。
これが出ると、フローキャリブレーションやベッドレベリングをしていてもなんとなく品質が落ちることがあります。「なんか最近きれいに出ない」「前より表面が荒れる」「設定は変えてないのに微妙」…こういうとき初心者はだいたいスライサー設定やフィラメントを疑うんですが、実はホットエンド固定側のネジや金具が原因のことも。ネジを締めれば戻ることもありますし、金具がへたってきたら交換した方がいいです。
ちなみにP1SやX1Cはホットエンド交換にネジを外す手間がありますが、逆に緩む問題は3000時間以上使っても特に出ませんでした。まぁA1系のワンタッチ仕様に慣れるとある意味抜け出せなくて面倒なんですが…。
X1C:中古はケーブルと改造歴に注意
X1Cはフロントカバーのケーブルにも注意。ホットエンド交換回数が多いと断線することがありますし、エンプラを多く使っている個体だと温度の影響でへたりやすい印象もあります。
X1Cは日本では終売ですが、中古で良いコンディションのものを安く買えるなら悪くないと思います。リリースから時間が経っている機種なので稼働時間は要チェック。個人的には本体10万円以下くらいなら「まあありかな」という感じです。
ただし中古X1Cはカスタム歴に注意。社外チャンバーヒーターが入っていた個体、配線をいじっている個体、ヘッド周りを雑に触っている個体、謎改造個体…このあたりは特に見た方がいいです。X1C自体の詳しい話はX1 Carbonのレビュー記事をどうぞ。
P1S:コネクタの挿し間違いはミニ線香花火(ダメです)
P1Sはコネクタの挿し間違えもしやすいです。自分も一回、初期不良かと思ってBambuにチケットを作ったことがあります…。挿し間違えるとショートして、最悪ヘッド周りをバラしてボード交換コースです。
自分は複数回火花を見ましたが幸運にも死にませんでした。サイズ的にはミニ線香花火くらい。花火大会に行きたいけど行けない人は試してみてもいいかもしれません(ダメです)。
笑い話にしていいやつではないので、メンテするときは電源を切ってコネクタ位置をちゃんと確認しましょう。Bambuは楽ですが、雑に扱っていいわけではないです。
AMSとTPUの正しい期待値
AMS liteはマルチカラー専用ではない
じゃあAMSはどうするか。多色をやりたくなったタイミングで足せばよくて、そのとき選ぶならAMS 2 ProよりAMS liteを初心者にはおすすめしたいです。AMS 2 Pro × A1 miniは最近できた組み合わせで、しょっぱなから部品を印刷してバッファーをマウントしないといけませんし、乾燥機能を使うにはACアダプターを追加で買う必要もあります。liteならそのあたりの難所がありません。
ただし価格の話をすると、AMS liteなりAMS 2 Proなり、コンボで買った方があとから単品で買い足すよりお得です。なので「多色は絶対やる」と決まっている人はコンボ買いもあり。その場合でも上記の理由で、選べるならAMS liteのコンボをおすすめします。
で、AMS liteの価値は多色造形だけではないんですよね。
- 色の切り替えが楽になる
- フィラメント交換が楽になる
- 材料切れへの不安が減る
- 4色までの造形がかなり身近になる
初心者が最初にやりたい多色造形はだいたい4色以内に収まります。ロゴ、ネームプレート、キャラクター、小物、サイン、装飾パーツ…最初から8色16色を狙わなくても十分楽しいです。
もちろんAMS liteにも弱点はあります。密閉されていないので乾燥保管にはならず、湿気に弱い材料を長期間セットしっぱなしにする用途には不向き。スプール中心径が合わないものはアダプタが必要です。ただ外側で保持する構造なので、箱型AMSより紙スプールには比較的寛容で、紙粉や外周摩擦で悩みにくい場面もあります。
要するにAMS liteは万能ではないけど、初心者の手間を減らす道具としてはかなり強い、という立ち位置です。
TPUは基本的に単色運用で
Bambu Labはかなり万能感がありますが、何でもできるわけではないです。特にTPU。
一般的な柔らかいTPUをAMSやAMS liteで多色運用するのは初心者にはすすめません。基本は外部スプールから単色で使うものだと思った方がいいです。TPUは柔らかくて曲がりやすくて座屈しやすいので、AMSのように長い経路でロード・アンロードを繰り返す仕組みとは相性が悪いんですよね。
TPU for AMSのような材料もありますが、これは「柔らかいTPUを自由に多色造形できる」という意味ではなく、AMSで送れるようにかなり硬めに寄せたTPUとして考えた方がいいです。
PLAやPETGの4色造形ならA1 mini+AMS liteでかなり楽しめます。柔らかいTPUは基本単色。TPU多色を本気でやりたいならAMS系ではなく、複数ツールヘッドやツールチェンジャータイプの機種が現実的です。ここを勘違いすると買ったあとに「あれ、思ってたのと違う…」となるのでご注意を。
フィラメント編:何でもいいようで、何でもよくない
メーカー選び:安さで選ぶものと供給で選ぶものは別物
Bambu系は1.75mmの標準的なフィラメントならだいたい使えます。ただ、売り物に使う・色を揃えて継続生産したい・失敗を減らしたい場合は、ある程度名前のある大きなメーカーのフィラメントを使った方がいいです。理由は単純で、突然廃盤になったり色が安定しなかったりするから。
カラバリを求めるなら、国内で買いやすいところだとBambu純正、Polymaker、OVERTUREあたりはかなり色数が多い印象。SUNLUも最近カラバリを増やそうとしている感じはありますが、シーズンやタイミングによっては供給が不安定なこともあります。
安いフィラメントが悪いわけではないんですが、同じ白のつもりで追加購入したら微妙に色味が違う、いつも使っていた色が消える、ロットで質感が違う、追加生産したら前回と並べたときに違和感が出る…みたいなことは普通にあります。趣味ならそれも含めて遊べますが、販売品やリピート品だと困りますよね。
最初の数巻はBambu純正で正常な状態を知るのはかなりあり。RFIDで材料情報を読めますし、Bambu Studio側のプロファイルも整っていて設定で迷いにくいです。慣れてきたらPolymaker、OVERTURE、SUNLU、その他メーカーに広げればOK。
安さで見るならAmazonだとCC3Dも候補ですし、ELEGOO公式サイトの10kgまとめ買いも個人的には結構好きです。ただし安さで選ぶフィラメントと安定供給で選ぶフィラメントは別物。安いフィラメントは試作や大量消費に、売り物やリピート前提なら色と供給が安定しているメーカーを選びましょう(各リンクは記事末尾にまとめてあります)。
フィラメントは湿気る
フィラメントは湿気ます。これは本当に基本。PLAでも湿気るし、PETGはもっと分かりやすいし、TPU・PA・PVA・サポート材はさらにシビアです。湿気ったフィラメントは糸引きが増えたり、表面が荒れたり、パチパチ音がしたり、強度が落ちたりします。
初心者だとこれをプリンターの不調だと思いやすいんですが、実はフィラメントが湿気っているだけのことも多いです。
AMS liteは便利ですが密閉保管ではないので、長期間セットしっぱなしなら湿気の影響は普通に受けます。ドライボックス、乾燥機、密閉ケース、乾燥剤はそのうち欲しくなるので、最初から完璧に揃えなくてもいいですが「フィラメントは湿気る」という前提だけは忘れずに。
温度タワーより先に乾燥
「フィラメントを買ったらまず温度タワーを印刷しましょう」みたいな話をよく見ます。温度タワー自体は悪くないんですが、個人的には初心者が最初にやるべきは温度タワーではなく乾燥だと思っています。
湿気ったフィラメントで温度タワーを出しても判断がブレます。糸引き、表面荒れ、パチパチ音、押し出しの不安定さ…これを温度設定の問題だと思ってしまうと普通に遠回りです。
まず乾燥。その上でBambu StudioのGeneric PLAやGeneric PETG設定で普通に出してみて、問題があれば温度・流量・冷却・速度を見ていく。最初から完璧なチューニングを目指さなくてOKです。
ちなみにBambuに限らず、Generic系のフィラメント設定はだいたい遅めです。理由はシンプルでMax Volumetric Flowが低めに設定されているから。これは悪いことではなく、いろんなメーカーのフィラメントで大きく失敗しにくいよう安全側に寄せてあるだけで、遅い代わりに初心者向きです。慣れてきたらMax Volumetric Flow、温度、冷却、速度、リトラクションを見ていけばいいですが、最初からそこに入ると何が原因か分からなくなります。まず乾燥、次にGeneric設定、チューニングはそのあとで。
フィラメント絡まりの9割はだいたいユーザーのせい
「フィラメントが絡まった」という話はよくありますが、正直9割くらいはユーザー側で絡めていると思います。開梱時に先端を離した、外したあとに固定しなかった、スプールの穴にちゃんと止めなかった、保管中にゆるんだ…こういう原因が多いです。
フィラメントは巻かれた状態で、途中から勝手に結び目ができることは基本的にありません。先端を離して輪をまたいだ状態になると、あとから絡まりとして出てきます。
心配な人はフィラメントクリップをたくさん作っておくのがおすすめ。3Dプリンターを買ったら最初に作る実用品としてもかなり良いですし、自分のプリンターで自分のプリンター環境を改善するのは3Dプリンターの楽しいところでもあります。
もちろんごく稀にメーカー側の巻きが悪い個体もありますが、まずは自分が先端を離していないかを疑いましょう。
印刷品質のリアル
PEIプレートでも定着剤は普通に使う
「PEIプレートなら何も塗らなくても100%成功する」という人もいます。たぶん素材が良いか、毎回めちゃくちゃ丁寧に扱っているか、条件がかなり合っているんだと思います。ただ現実には、めちゃくちゃ丁寧に扱っていても定着しないことはありますし、角が反ることもあります。モデル形状によっては角に応力が集中しますし、材料・室温・ベッド温度・冷却・プレートの状態で普通に変わります。
自分はケープの3DエクストラキープかMagigooを使っています。これは負けではないです。定着剤は初心者ほど使っていい。PEIを信じて何回も失敗するより、薄く塗って普通に成功した方がいいですからね。
ただし塗りすぎると逆に汚くなりますし、プレートのメンテも必要になります。「毎回必須」ではなく「定着が怪しいときの保険」として持っておくくらいがちょうどいいです。
Bambu Studioは0.4mmノズル以外が少し弱い
Bambu Studioはよくできています。特に0.4mmノズルでPLAやPETGを普通に出す分にはかなり楽で、初心者が迷わず使えるように作られています。
ただ0.4mm以外への作り込みはまだ弱いと感じます。0.2mmで細かく出す、0.6mmや0.8mmで太く速く出す…とノズル径を変えて運用し始めると、急に「そこまで面倒見てくれないな」という場面が出てきます。あとエンプラ系のプロファイル設定温度が適切ではないと感じることも。ABS、ASA、PA、PC、CF系をやるならプロファイルをそのまま信じるより、自分で温度・冷却・速度・チャンバー温度・乾燥状態を見る必要があります。
Bambuの強みは初心者でもかなり良いところまで連れて行ってくれること。ただ材料やノズルを外していくと、結局3Dプリンターとしての知識は必要になります。ここはもう少し改善してほしいところですね。
積層痕とサポート面は設定でかなり変わる
段々が気になるなら、いきなりノズルを変える前に可変レイヤー高さ(Adaptive Layer Height)を使うのもありです。モデル全体を薄い積層にすると印刷時間がかなり伸びますが、Adaptive Layer Heightなら曲面など段差が目立つところだけ細かくして、目立ちにくいところは粗めにできます。Bambu Studioではかなり使いやすい機能なので、フィギュアや曲面のある小物を出すなら試す価値あり。もちろん全部0.08mmや0.12mmで出すのもありですが、時間は伸びます。そこは見た目と時間のトレードオフ。
あとBambuのサポート設定はかなり「外しやすさ重視」の印象です。サポートがガチガチにくっついて外れないより外しやすい方が失敗体験は少ないので初心者にはありがたい一方、サポートを外した面は荒れやすい。ここはサポートのZ距離、インターフェース、接触面、材料、向き、積層厚あたりを調整するとかなり変わります。つまりBambuの標準設定でサポート面が汚いからといって「このプリンターはダメ」とはなりません。外しやすさを取っている設定なので、面をきれいにしたいならそこを詰めればいいだけです。
ただこれも最初からやらなくてOK。まずは乾燥したフィラメント×標準設定でちゃんと出す。見た目や速度を詰めるのは慣れてからで十分です。
サポートフィラメントは奥の手
サポート面をきれいにしたいなら、水溶性サポートやPLA/PETGの剥離用サポート材、専用インターフェース材を使う方法もあります。ただこれは奥の手だと思っています。
AMSでサポート材を使うことはできますが、フィラメント交換が増えるので時間もパージ量も増えますし、材料管理も面倒。湿気に弱いサポート材も多いです。本気でサポート材を使い分けるなら、個人的にはデュアルホットエンド、デュアルヘッド、ツールチェンジャータイプのマシンの方が向いていると思います。1本のノズルで材料を入れ替えるより、別ノズルでサポート材を扱える方が圧倒的に気持ちいいので…。
なので初心者はまずモデルの向き、サポート設定、接触面、可変レイヤー高さで詰めて、それでも厳しいときにサポートフィラメントを検討、の順で。
運用と環境の話
セキュリティは怖がりすぎず、雑に扱わない
Bambu Labはクラウド連携が強いです。Bambu Handy、MakerWorld、MakerLab…この統合エコシステムの体験は本当に便利で、初心者がすぐ印刷できる理由でもあります。ただ便利さと引き換えに、クラウドやアカウントやネットワークの話は出てきます。
家庭で公開モデルを印刷する、趣味の小物を作る、公開前提のデータを扱う…このくらいなら便利さを素直に使えばいいと思います。ただNDA案件、未公開製品、社外秘の治具、研究データ、顧客データを扱うなら話は別。その場合はLAN Only Mode、ネットワーク分離、クラウドを使わない運用、アカウント管理、データの置き場所まで見た方がいいです。
Bambu Labは中国企業なので、法域やクラウド連携を気にする人がいるのは自然だと思いますし、そこを雑に「気にしすぎ」と切るのも違う。一方でBambuだけを見て怖がるのも片手落ちです。
- 監視カメラは安全なのか
- 謎のUSBメモリを使っていないか
- Amazonで買った安いUSB-Cハブを社内PCに挿していないか
- 中古PCやMini PCを業務ネットワークにつないでいないか
- 営業や広報が、悪気なく図面や試作写真を外部に送っていないか
- 退職者のクラウドアカウントが残っていないか
こういう状態でプリンターだけを見て「中国企業だから危ない」と言っても、セキュリティ対策としては弱いですよね。自分が何を守りたいのかで運用を選びましょう。
PLAの匂いと健康リスクも現実的に考える
PLAは比較的扱いやすい材料ですが、印刷中に匂いはあります。甘いような匂いがすることも。健康リスクについては過剰に怖がる必要はないと思っていますが、3Dプリンターが粒子やVOCを出すこと自体は無視しない方がいいです。
EPAも3DプリンターはVOCや微粒子を出すことがあり、材料や環境によって差があるとしていますし、NIOSH系の情報でも材料選び、エンクロージャー、換気、プリンターの近くにいる時間を減らすことが対策として挙げられています。
- 子どもやペットがいる
- 寝室に置く
- 長時間連続で印刷する
- 複数台を同時に回す
- ABS、ASA、ナイロン、PC、エンプラ系を使う
こういう場合は換気、空気清浄機、エンクロージャー、設置場所を考えた方がいいです。PLAだけならそこまで神経質にならなくてもいい場面は多いですが、匂いが気になるなら我慢しない方がいい。部屋用の空気清浄機を強めに回すだけでも心理的にも実用的にもかなり違います。ABSやASAは匂いも強く温度も高く、反り対策でエンクロージャーも欲しくなるので、もう少し気を使いましょう。
エンクロージャーで注意したいのが夏場のPLA。庫内温度が上がりすぎると、ヒートクリープ、詰まり、冷却不足、オーバーハングの荒れの原因になることがあります。夏にPLAを囲って印刷するなら庫内温度・ファン・ベッド温度は要チェック。コールドプレート系でベッド温度を下げるのも選択肢の一つですが万能ではなく、材料との相性や剥がしやすさ、表面テクスチャ、耐久性は製品ごとに違います。
複数台運用するなら管理ツールも見ておく
Bambu Labを1台だけ使うならBambu StudioとBambu Handyでだいたい足ります。ただ複数台になると、どれが空いているか、どれが印刷中か、どれが失敗しているか、次にどのジョブを流すか、材料の状態はどうか…を毎回アプリや本体画面で見るのは普通に面倒です。
複数台運用するならBambuddyみたいな管理ツールや、今後出る予定のFleetHub系の機能はかなり便利になると思います。1台なら「印刷できるか」でいいですが、複数台なら「運用できるか」が大事になってきます。
家に複数台置くならラック選びも大事
複数台運用するなら置き場所もかなり大事。P1S/X1Cみたいな256mm級の箱型を家に何台も置くなら、コストコのゴリララックはかなりありです。サイズが合えば最大6台くらい載ります。
ただしここはちゃんと測りましょう。本体サイズだけでなく、ドアを開けるスペース、AMSの置き場所、背面ケーブル、排気、フィラメント交換のしやすさ、メンテで手を入れるスペースまで必要です。
あと3Dプリンターは動くので、ラックが弱いと揺れます。揺れると音も出ますし造形品質にも影響することがあるので、耐荷重だけでなく剛性も要チェック。必要なら棚板を補強したり、防振マットを敷いたり、ラック自体を壁に寄せたり。1台なら机でいいですが、複数台ならラックも運用設備の一部です。
失敗との付き合い方
困ったらAIに聞く。人に聞くなら状況を書く
印刷に失敗したとき、まずやることは原因を増やさないこと。何を印刷したか、どの機種か、どのフィラメントか、乾燥したか、どのプレートか、ベッド温度とノズル温度、どこで失敗したか、写真はあるか。このあたりを整理して、まずAIに聞くのが手っ取り早いです。
BambuのWikiのリンクも一緒に渡して「A1 miniで、Generic PLA設定、0.4mmノズル、PEIプレート、こういう失敗をした」みたいに聞けば、だいたい次に見るべきところは出てきます。
人に聞くときも同じで、「なんか失敗しました」だけだとみんなも的外れなアドバイスをしてしまいます。何をどうしてどうなったかが分かればかなり助けてもらいやすい。気になったら自分のXコミュニティで聞いてくれれば、誰かが助けてくれるかもしれません。まずは写真を撮って条件を書く、できれば失敗した造形物とスライサー画面も見せる。これだけで解決率はかなり上がります。
失敗したら写真を撮ればいい
3Dプリンターは失敗します。どれだけBambuが楽でも、失敗するときは失敗する。ノズルに巻き付く、途中で剥がれる、サポートごと崩れる、もじゃもじゃの塊になる…。
そうなったらまず電源やヘッド周りを確認して、危なそうなら止める。そのあと写真を撮ってSNSに上げるといいです。みんながいいねしてくれるので元気が出ます。「Bambuもじゃ」とか書いて投稿しておけばだいたい供養できます。
冗談みたいですがこれ結構大事で、初心者が一番よくないのは1回失敗して「自分には無理だ」と思って使わなくなること。失敗はBambuでも高い機種でも慣れている人でも普通にあります。ゼロにするより、失敗したときに戻れる方が大事です。
まとめ:結局、初心者は何を買うべきか
小物中心で家庭で始めるならA1 mini単体がかなり現実的です。安いからではなく、始めやすくて、純正フィラメントと組み合わせると失敗要因を減らしやすくて、壊したり詰まらせたりしても比較的戻しやすいから。多色が欲しくなったらAMS liteを足せばOKです。
ただし──
- 大きいものを作りたいならA1 miniでは足りない
- たくさん回すなら、操作系やメンテ性のストレスが気になる
- エンプラをやるなら、エンクロージャーや材料管理が必要になる
- 機密データを扱うなら、クラウドやネットワーク運用も考える必要がある
- TPU多色を本気でやりたいなら、AMS系に期待しすぎない方がいい
予算と置き場所があって256mm級の箱型で始めたいなら、P2SやX2Dのような上位機もかなり丸い。ただ最初の1台で「3Dプリンターが生活に入るか」を試すなら、A1 mini単体はかなり強いです。
Bambu Labは完全に何も考えなくていい機械ではないけど、今までの3Dプリンターの中では一番家電に近い。怖がりすぎず、過信しすぎず、自分の用途に合わせて選んでください。
今ならBambu Lab 4周年セール中【購入リンクまとめ】
最後に大事な話。いまBambu Labが4周年セールをやっています。噂のA1 miniは26,000円。A1 mini単体、A1 mini Combo、P2S、H2Sあたりを検討している人にはかなり良いタイミングです。X2Dはセール対象外なのでそこだけ注意(※セールは期間限定です。終了していたらごめんなさい)。
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▼Bambu Lab 4周年セール会場
https://psych0h3ad.link/bambu-anniv
本体(個別リンク)
- A1 mini 単体
- A1 mini Combo(現行コンボはAMS 2 Pro付属。本文のAMSの項を参照)
- P2S
- X2D(セール対象外)
- H2S(実機レビューはこちら)
最初の1台で迷っているなら、個人的にはA1 mini単体が一番すすめやすいです。多色をやりたくなったらAMS liteを追加すればOK(最初から多色までやる気ならコンボ買いの方がお得です)。置き場所と予算があるならP2SやH2Sもかなりあり。X2Dはセール対象外ですが、上位機として欲しい人は検討の価値ありです。
フィラメント
アクセサリー
- AMS 2 Pro用ACアダプター(乾燥機能を使う場合に必要)
- Magigoo
- ケープ 3Dエクストラキープ
- フィラメントドライヤー(EIBOS Polyphemus)
- フィラメントラック
- ゴリララック
参考リンク
3Dプリンター沼の底でお待ちしています。
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