Snapmaker U1の周辺で、かなり面白い取り組みが始まりました。Snapmakerが、U1向けのソフトウェア、ハードウェア改造、ワークフロー、アクセサリーなどを作る開発者やメイカーを支援するために、Snapmaker U1 Innovation Fundを立ち上げています。

基金の総額は150,000ドル。執筆時点のレートで約2,700万円!内訳は、すでにU1や現代のFFF 3Dプリント環境に貢献してきたプロジェクトを支援するFounding Sponsorshipsが50,000ドル、一般の開発者やU1ユーザーが参加できるOpen Competitionが100,000ドルです。この記事内の金額、日程、受賞枠は、Snapmaker公式ページで公開されている情報に基づいています。

U1はSnapmakerだけで作られたわけではない、という姿勢

今回の発表で印象的なのは、SnapmakerがU1を自社だけの成果として見せていないところです。Full Spectrum、Moonraker、OrcaSlicer、Klipper、Fluidd、Surface Color Stitchといったプロジェクトに触れながら、U1は多くのコミュニティ技術の上に成り立っている、というメッセージを出しています。

KlipperやMoonraker、Fluiddのような基盤系のソフトウェア、OrcaSlicerのようなスライサー、さらにFull SpectrumやSurface Color Stitchのようなマルチカラー表現に関わる取り組みまで、U1の周辺にはオープンな開発の積み重ねがあります。そこに対してSnapmakerが資金面でも支える姿勢を見せたのは、3Dプリンター業界全体で見ても良い流れだと思います。

Open Competitionは2フェーズ制。Phase 1はすでに開始

Open Competitionは2つのフェーズに分かれています。Phase 1は2026年6月9日から9月7日まで、結果発表は9月30日。Phase 2は2026年10月1日から12月31日まで、結果発表は2027年1月22日の予定です。

区分応募期間賞金枠結果発表
Phase 12026年6月9日から9月7日50,000ドル2026年9月30日
Phase 22026年10月1日から12月31日50,000ドル2027年1月22日

各フェーズでは20件の受賞枠が用意されています。U1 Pioneerが3件で各5,000ドル、Eco-Enhancerが7件で各3,000ドル、Active Builderが10件で各1,500ドル。現金賞金だけでなく、受賞バッジや証明書、公式SNSでの紹介、新製品ベータへのアクセスも含まれます。

応募する場合は、最終的な条件を公式ページで確認しておくと安心です。

対象はソフト、改造、アクセサリー、ワークフローまで広い

募集対象はかなり広めです。スライサープラグイン、ハードウェア改造、ワークフロー、アクセサリーなどが例として挙げられています。応募の流れは、U1に関わるプロジェクトを作り、GitHubやブログ、自分のWebサイトなどの公開ページに載せ、Snapmakerのコミュニティチャンネルで共有したうえで、公式フォームから提出する形です。

審査では、技術委員会の評価が80%、コミュニティ投票が20%とされています。技術面では、新しい使い方を開く発想、再現しやすい公開性、実際のU1ユーザーが困っていることを解決する実用性が見られます。オープンソースは高く評価されますが、FAQでは、動作デモを共有できるならクローズドソースのプロジェクトも歓迎すると説明されています。

マルチカラー・マルチマテリアル3Dプリントの流れがさらに進みそう

U1は、マルチカラー・マルチマテリアル3Dプリントを強く意識した機種です。Snapmakerが今回の基金でソフトウェアやワークフローまで支援対象に入れているのを見ると、単に本体を売るだけではなく、ユーザーや開発者が作る周辺技術まで含めて育てたい、という狙いが見えてきます。

3Dプリンターは、ハードウェアだけで完結する製品ではありません。スライサー、ファームウェア、Web UI、色の扱い方、失敗を減らす運用方法まで、使う人たちの工夫で大きく化けます。今回のInnovation Fundは、その工夫にきちんと光を当てる取り組みです。

Phase 1の応募はすでに始まっています。U1向けに何か作っている人、あるいはこれから試したいアイデアがある人は、一度公式ページを見ておく価値があります。

関連リンク:Snapmaker U1 Innovation Fund

Snapmaker U1 – 5%オフクーポンコード: yuto_horiuchi
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どうも、YuTR0Nです。

今回はCrealityから共有いただいた資料をもとに、KliTek™ Nozzle Changing Technologyについてまとめていきます。

先に注意書きです。この記事内の数値は、特記がない限りCreality提供資料に基づく参照値です。自分の実測値ではありません。また公式ランディングページURLはまだ共有されていないため、リンクは提供され次第追記予定です。

ここ数年でマルチカラー3Dプリンターは一気に身近になりました。AMSやCFSのようなシステムのおかげで、家庭用でも多色造形を触れるようになったのはかなり大きいです。

ただ、単一ノズルで材料を切り替える方式にはどうしても避けにくいところがあります。前のフィラメントを戻して、新しいフィラメントを送り込んで、ノズルの中に残った材料を押し出す。これを色替えのたびに繰り返すので、印刷時間は伸びますし、パージ材も増えます。色混ざりを避けようとするとさらに捨てる量が増える。マルチカラーは便利だけど、ワイプタワーを見て少し遠い目になるあの感じです。

KliTek™は、その流れに対して別方向から攻めている技術です。材料だけを入れ替えるのではなく、ホットエンドを含むノズルアセンブリ側を切り替える。ここが今回の肝ですね。

KliTek™はツールヘッド丸ごと交換ではない

KliTek™は、ツールヘッド全体を交換する方式ではなく、ホットエンドを含むノズルアセンブリを交換する仕組みです。ノズルアセンブリの重量はフルツールヘッドの約5分の1とされています。

Creality KliTek nozzle kit
KliTek™のノズルキット。交換対象をノズルアセンブリ側に絞っている。

フルツールヘッド交換は構造として分かりやすい一方で、交換部が重くなりがちです。重いものを動かして、毎回きっちり同じ場所へ戻すとなると、それだけで難しくなります。KliTek™は交換する部分を小さくし、必要なところだけを入れ替える考え方です。最近の類似方式だとBondtechのINDXやInfimechのマシンなど。また、ホットエンドのヒーター加熱方式は誘導加熱方式ではなく「直接加熱」とのこと。効率をK2シリーズより高めたセラミックヒーターなどかな?と予想しています。Atomformのマシンは本当にノズルだけなのでまた別カテゴリ、ほかにはエクストルーダー混みでヘッドごと交換するPrusa XLやSnapmaker U1、WonderMaker ZR-Ultra、Flashforge Creator 5など。5/30-31開催のJRRFで見れるマシンも数多くあります。

https://japanreprapfestival.com

ノズル交換は5秒未満、材料交換は15秒未満という説明です。単一ノズル方式で毎回パージを挟む構造と比べると、待ち時間の考え方がかなり変わります。

KliTek quick-swap USB-C interface
USB-Cクイックリリースインターフェース。2本のネジでノズルキットを交換できる構成。

ここで大事なのは、速く交換できることだけではありません。交換したあと、ちゃんと同じ位置に戻るのか。ノズル交換式のマシンはそこが一番気になります。速くてもズレたら意味がないので。

センサーと位置決めでノズル交換後のズレを抑える

KliTek™搭載機は37個の高精度センサーを備え、そのうち12個がノズルキャリブレーション専用とされています。位置ずれは25ミクロン以内に抑えるという説明です。

12 sensors dedicated to nozzle calibration
ノズルキャリブレーション用センサーのイメージ。37個の高精度センサーのうち、12個がノズル校正専用とされている。

複数ノズル式で怖いのは、ノズルごとの高さやXY位置のズレです。特にマルチカラーやマルチマテリアルでは、ズレが外観だけでなく材料同士のつながり方にも出ます。水溶性サポートを使う場合も、モデル側とサポート側の位置が合っていないと、剥がれ方や接触面に影響が出てしまいます。

Precise XYZ repositioning
XYZ三軸方向の再位置決めイメージ。ノズルを入れ替える以上、戻り精度がそのまま造形品質に効いてくる。

KliTek™の説明では、軽量かつ剛性のあるフレーム、XYZ三軸の位置決め、FOCクローズドループモーター、Hブリッジモーターを組み合わせ、振動と位置ズレを抑える構成になっています。このあたりはかなり技術盛り盛りですが、ノズルを交換する以上、機械側の安定した繰り返し位置精度をどこまで詰められるかが本当に大事です。

Lightweight and rigid frame
軽量かつ高剛性のフレーム設計イメージ。交換部の軽さと戻り精度が重要になる。
FOC step servos and H-Bridge motor
FOCクローズドループモーターとHブリッジモーターの構成イメージ。交換後の位置決めを安定させるための制御まわり。

主な仕様を一度整理しておく

数字だけを追うと少し散らかるので、ここで一度まとめておきます。

項目数値・内容補足
ノズル交換時間5秒未満ノズルアセンブリを切り替える方式
材料交換時間15秒未満単一ノズル式の大きなパージとは発想が異なる
ノズルアセンブリ重量フルツールヘッドの約5分の1交換部を小さくする設計
高精度センサー数37個うち12個がノズルキャリブレーション専用
位置合わせ精度25ミクロン以内ノズル交換後の再現性に関わる部分
対応TPU硬度80A、85A、90A、95A柔らかいTPUまで視野に入れている
95A TPU流量15mm³/sS-Drive™との組み合わせ
85A TPU流量例3mm³/sインソール例として記載

TPUまわりがかなり気になる

KliTek™で個人的に一番気になるのは、実はマルチカラーよりTPUです。

TPUは楽しい素材ですが、扱いはなかなか面倒です。柔らかいので経路の中でたわみやすく、摩擦も増えやすい。押し出しが安定しないと、詰まり、アンダー、糸引きがまとめて出てきます。硬めの95A TPUならまだしも、80Aや85Aのような柔らかいTPUになると、普通のコンシューマー機では気軽に使える素材とは言いにくいです。

また湿気に弱いのでその点どのようなアプローチをとってくるのかも気になります。

CrealityはここにS-Drive™ Dual-Drive Technologyを入れています。後方から押す力と前方で引く力を組み合わせる押し引き方式です。フィラメントを長い経路でずるずる引っ張るのではなく、複数点で支えながら送ることで、柔らかい材料の変形と摩擦を抑える狙いですね。さらなる詳細情報公開が待ち遠しいです。

TPU KliTek integrated solution
S-Drive™はTPUの送りを安定させるための押し引き構成。柔らかいTPUほど経路内の摩擦と変形が効いてくる。

KliTek™は80A、85A、90A、95AのTPUに対応し、95A TPUでは15mm³/s、85A TPUのインソール例では3mm³/sの安定造形ができるという説明です。

業界一般の95A TPUが2〜3mm³/s、85A TPUは他の3Dプリンターでは成功率10%未満かつ約1mm³/sという比較も出ています。ただし、比較対象の機種や試験条件までは細かく明記されていないため、ここは参考として見るのが良さそうです。

それでも、柔らかいTPUを多色、多硬度、多素材で一体造形できるならかなり面白いです。靴なら、ソールは少し硬め、アッパーは足に沿うように柔らかめ、インソールはさらに柔らかめ、という作り分けができます。今までは分けて作って組むしかなかったものを、最初から一体で設計できる可能性が出てきます。

造形例を見ながら考えると、使い道が見えやすい

ここからは印刷サンプル系をまとめて載せます。本文中に1枚ずつ縦に置くと少し重たくなるので、横スクロールで見られるようにしています。スマホなら横にスワイプ、PCなら横方向にスクロールして見てください。

Multi-color multi-hardness multi-material TPU printing
多色、多硬度、多素材TPU造形のイメージ。靴やインソールのように、場所ごとに硬さを変えたい用途と相性が良い。
Multi nozzle diameter printing
複数ノズル径を使った造形イメージ。外観品質と内部充填の速度を分けて考えられる。
CMYK full-spectrum color palette
CMYKフルスペクトラムカラーのイメージ。4色を層ごとに混ぜ、色の変化を作るという説明。
PLA heart model printed with water-soluble supports
水溶性サポートを使ったPLAハートモデルのイメージ。複雑形状ではサポート処理のしやすさが効いてくる。

0.4mmと0.8mmを同じ造形内で使い分ける

複数ノズル径を同じ造形内で使い分け可能というのを最初から触れてる点もいいですね。ノズルキットは0.2mm、0.4mm、0.8mmなどのサイズに対応するとされています。

たとえば外壁は0.4mmノズルで細かく、内部インフィルは0.8mmノズルで一気に吐く。考え方はシンプルですが、普通の1ノズル機では印刷中にノズル径を変えられません。

全部0.8mmで印刷すれば速いかもしれませんが、外観の細部は甘くなります。逆に全部0.4mmで大物を印刷すると時間がかかる。外は細かく、中は速く。これが自然にできるなら、マルチノズルの価値はかなり分かりやすいです。

個人的にはここ、かなり実用寄りだと思っています。大型の治具、展示用モデル、ロボットの外装、ケース類など、外観はそれなりに綺麗にしたいけど内部はさっさと埋めたいものは多いので。他社マシンも物理的にはつけれても公式ではソフト側がまだスムーズに対応できていないケースが多いです。

CMYKフルカラーと水溶性サポート

KliTek™はCMYKの4色を層ごとに混ぜ、色の変化を作るフルスペクトラムカラーも打ち出しています。フィラメントの色数に縛られず、狙った色に近づけるという話ですね。最近のトレンドですね。

ここは実際の発色、スライサー側の使いやすさ、色の再現性がかなり大事になりそうです。フルカラー系は見た目のインパクトが強いぶん、思った色にならないと逆に気になってしまうので、どこまで扱いやすく落とし込めているかはぜひ見たいところです。

1つのノズルで水溶性サポート、別のノズルでモデル本体。複雑な中空構造や入り組んだ形状では、サポートを水に溶かせるだけで設計の自由度がかなり変わります。ただサポート材は折れやすい、吸湿しやすいといった話題に尽きないのでその点どうなるか気になるところです。

サポート材を外すために形状を妥協する、という場面はかなりあります。特に内側に入り込むサポートは本当に面倒です。そこを材料側で解決できるなら、医療モデル、教育用モデル、透明外装と内部構造を組み合わせた展示物など、いろいろ遊べそうです。

材料ロスはどこまで減るのか

KliTek™はパージ廃棄をワイプタワー中心に抑えられるという説明になっています。単一ノズル式のように、色替えのたびにノズル内を大きく押し流す構造ではないため、材料ロスを減らしやすいという理屈です。

Material consumption comparison
材料消費比較のイメージ。KliTek™ではパージ材を抑える方向性が示されている。

もちろん、実際の削減量はモデル、色数、材料、スライサー設定でかなり変わるはずです。なのでここも、数字だけで判断するより、同じモデルを複数の競合マシンとKliTek™で出したときにどれくらい差が出るかを見たいところです。

現時点で気になるところ

かなり面白い技術ですが、気になるところもあります。

まずはキャリブレーションの安定性です。25ミクロン以内という説明はかなり攻めていますが、長時間印刷、複数素材、ノズル交換を何度も繰り返したときにどうなるか。ここは実機でないと分かりません。

次にスライサー側です。マルチカラー、多硬度TPU、マルチマテリアル、ノズル径切り替え、CMYK、水溶性サポート。できることが多いぶん、設定が複雑になるとユーザー側の負担も増えます。ハードが良くても、スライサーで迷子になると結局使われなくなるので、プリセットや自動化の作り込みはかなり重要です。

あとはノズルキットの価格と入手性。ツールヘッド全体を交換する必要がなく、交換コストを削減できるとされています。交換部品は消耗品でもあるので、実際の価格と供給はかなり大事です。ポチって何日で届くかも気になりますね。

まとめ

KliTek™は、ただノズル交換が速いだけの技術ではなく、マルチカラーやマルチマテリアルで避けにくかったパージ、待ち時間、材料ロス、TPUの扱いにくさを、構造側から減らそうとしている技術に見えます。

個人的には、マルチカラーよりもTPUと複数ノズル径の使い分けがかなり気になります。柔らかい素材を複数硬度で一体造形できるようになると、靴、インソール、グリップ、クッション、タイヤ系の模型、医療モデルあたりはかなり遊べそうです。

弊ブログでレビューも是非していきたいところです!

どうも、YuTR0Nです。

【更新 2026/07/17】KARAKSA™ FはSK本舗でも買えるようになりました。購入はこちら → サンステラモールSK本舗

今回は旭化成さんに面白いフィラメントを提供いただきました!そう、家にあるラップとかでもみるあの、あの旭化成さん!!実は昨年JRRF2025でも協賛企業として参加いただいていました。

「繊維強化フィラメントだけど真鍮ノズルでも0.2mmノズルでもOK」

そんな夢のようなPA-CNF系統のDXとBXをいただきました。既に展示会でのサンプル展示などは多くしており見たことある人も多いかもしれません。フィラメント名、KARAKSA

今まで触ってきたのはやはり主に扱いやすいフィラメントがそうはいっても多く「フィラメントは絶対乾かさないと!」というイメージばかり先行してたのですがちょっとKARAKSAは面白い側面もありました。(後述)

H2Sの記事でもエンプラに対しての学びが多かったですが本案件も知見がまた広まる機会になりました。

また近頃はいろいろ物騒ですがKARAKSAはセルロースのナノファイバー(CNF)の製造、樹脂との混錬、フィラメント化を全て国内で実施した国産フィラメントということで完全に外で作って輸入されているフィラメントよりやはり安心感も。

※本記事中リンクにはアフィリエイトリンクを含みます

そもそもCFでもGFでもないしCNFって何?

繊維強化フィラメントにもいろいろ種類がありだいたいAmazonなどで買えるのはCF(短繊維の炭素繊維)やGF(ガラス繊維)強化のものがメジャーだと思います。今回のものはそれとは別物の「CNF:セルロースナノファイバー」。

繊維が細かいゆえに側面の表面はGF・CF系と比較するとあまり積層感が隠れるといった効果は薄れますが、CF系でよくある印刷物を削った際などに細かい繊維が指に刺さってるというような事故が発生しないのが良いです。

また「チキソトロピー性」に優れているという特徴があります。

オーバーハングなどに強く、まただらだらダレることなく切れ良く印刷できる特性…とかみ砕くのが適切そうでしょうか?

冒頭で真鍮ノズル0.2mm径ノズルでも印刷可能とさらっとかきましたが

CNFの直径は10~100ナノメートルに対しCFは7マイクロメートルほど。

ここで単位が怪しくなった人は私と一緒におさらいしましょう。

1マイクロメートル[μm]=1,000ナノメートル[nm]

いかに細い繊維なのかがよくわかりますね。真鍮ノズルでも摩耗が少ないというわけですが、最近のマシンは真鍮ノズルではなく硬化鋼やステンレスが多め。なのでメリットがないのでは? いえいえそんなことはありません。そもそも普通繊維強化系は0.4mmノズルでも詰まってしまうことがあります。そういった要因で部品交換しなくてはならない頻度が減るという恩恵。あとは他繊維強化系に対し摩耗が少ない→ノズル径の変化が微小なため同じ品質で長期間印刷できるというメリットもありますね。

これだけ良いとこどりをしていて0.45MPaでの荷重たわみの温度が170℃~190℃とのこと。

また摺動性も優れており、2kgfの力を加えた状態で往復摺動試験実施でも圧倒的に低いCOF(摩擦係数)を見せつけています。

実験方法:旭化成さん資料より
実験結果:旭化成さん資料より

実際の試験結果一部がこちら

ABS PA6/CF KARAKSA™ F
PA/CNF
比摩耗量
mm³/(N·m)
ABS 摩耗痕 PA6/CF 摩耗痕 KARAKSA F PA/CNF 摩耗痕
比摩耗量
mm³/(N·m)
1.98×10−3 1.08×10−4 5.62×10−5
ABS
ABS 摩耗痕
比摩耗量 mm³/(N·m)
1.98×10−3
PA6/CF
PA6/CF 摩耗痕
比摩耗量 mm³/(N·m)
1.08×10−4
KARAKSA™ F PA/CNF
KARAKSA F PA/CNF 摩耗痕
比摩耗量 mm³/(N·m)
5.62×10−5

最初の難関

まずは下ごしらえから。

乾燥は推奨条件だと

  • 熱風乾燥機:100℃ × 7hもしくは120℃ x 2〜4h
  • 真空乾燥機:80℃ × 48~72h

さて、これはちょっと条件が限られてきますね。真空乾燥機なぞは仕事で使っていない限りはあまりないような…となると熱風乾燥機。とはいっても120℃でる製品…。

そもそも簡単に手に入るレンジではなくせいぜい近しくてもE2ですが110℃と微妙に満たないスペックかつサイズ専有も大きいので取りあえず家にあるAMS HT85℃EIBOS Polyphemusの2世代目(80℃)、Creality SpacePi X4 (85℃)を使用。

使用感としては開梱してすぐ突っ込んで使用していない際はシリカゲルと密閉、使用前に8時間くらいのデフォ設定で乾燥をかける程度で実用できることはわかりました。(梅雨とか夏の時期はまだ未検証)

印刷設定・準備

テストは主にBambu Lab H2SとP2S、QIDI Q2、Snapmaker U1にて。

CNFは0.2mm径でも問題ないことはP2Sで確認できたので推奨されてないですがHFノズルの0.4mmをH2Sでは使用しました。(HFノズルの恩恵はなんもないので普通のバージョンで問題ないです)

プレートはどのマシンもテクスチャPEI(デフォプレート)にケープ3Dエクストラキープ無香料を吹き付けて使用。

こちらの300g x2本がおススメです :

個人なら問題ないと思いますが会社で買うときは…ごり押しで買ってもらいましょう!消耗品!安い!

どうしても難しい場合はみんな大好きしわなしPiTノリなどでも。中学とかの頃この糊で糸を紡いだのが懐かしいです。蓋に指でなんども糸を掛けていくと布みたいな感じで…脱線。

マルチカラーユニットOK(AMS/QIDI BOX)

Bambu LabのAMS2 Pro、AMS HT、QIDIのQIDI BOXまたそれに加えSnapmaker U1それぞれすべて経路バイパスせず普通に使用することができました。マルチマテリアル、マルチカラーで使わないにしろこれらでそのまま使えると楽なこと間違いないですからね。ただなんでもロードしっぱなしはリスクなので印刷をしばらくしないときはアンロードしておくのがいいと思います。

P2Sで使う場合はマシンをだます必要がある

PLAだけ使っている人はあまり遭遇はないと思いますがBambu Labのマシン、例えば最近の世代のマシンはなぜかEngineering Filament向け!といってる割に全然選択肢がありません。0.4mmのプロファイルなら良いですが0.2mmになると全くない!PCはあった!ということで高温タイプだしいいかという考えだけでPCフィラメントをベースにフィラメントプロファイルを作成。

0.2mmで別に他にもいろいろ素材は印刷できるよね?!という気持ちは抑えつつ…。

DXも温度だけ変えて使ってました

プレートはテクスチャPEI(Bambu Labはテクスチャードとテクスチャが混ざってますね)を使っていたので他の温度は変えていないです。流量(最大体積速度)4mm3 /sは私の方でテストした値です。

またマシン側でもPC素材として強引に設定。

0.2mmの場合はフローキャリブレーションは必ずオフにし、キャリブレーションはまずは初回手動で実施してください。(でもめっちゃ判断に困るのでとりあえずフローキャリブレーションオフで試し印刷でもいいかもしれません)

H2Sの場合はというと…しっかりGenericでPA-CFが増えているのでそれをベースにいじれば大丈夫です。出たばかりのころはいろいろなかった気もしますが。

我が家のH2Sはサンステラさんに提供していただいたマシンです。

https://psych0h3ad.link/SBBLH2S

Bambu Lab本家で在庫がないときに代理店はもってたりということもあるので本家のストアと両方確認してみるのがおススメです。P2Sのレビュー記事もそのうちアップ予定です。

QIDI Q2でもだましだまし

最近のマシンはどうもある意味難しいですね。

QIDI BOX側ではPA-CFとして設定が可能ですが、スライサー側で同期すると受け付けてくれません。

QIDI BOXではPA-CFとしてるので確かに同期ボタンを押すと出てきますが…確かにPA-CFのはずだけど

どこ行った!OKじゃないよ!!

そのため設定ファイルを作って手動で切り替える必要があります。

QIDIのPA12-CFあたりのフィラメント設定など適当に読んでそれをベースでいじります。

こんな感じで毎回指定。これはそのうちアップデートで改善されるとは思います。(リクエストしておきます)

スパースインフィルも100に下げてしまった方が良いとは思います。

隙間インフィルも下げといた方がいい気もしますがとりあえず私はこの設定で使っていました。

Q2は地味に印刷領域も広く価格も抑えられておりエンプラメインの方には非常にお勧めしたい一台です。ご購入はコチラ

印刷してみて

ざっくりの乾燥ですが印刷ができなかったというケースはなく基本サクサクとテストができてよかったです。

ただ印刷完了後に特に0.2mmで印刷直後に力を入れるとバキバキ裂けるオブジェもありなぜだろうと頭を抱え旭化成さんに聞いてみたところ吸湿が肝!と教わりその後は無事に。

大物造形での反りは?

速度設定はというと…H2SのHF 0.4mmでは特に基本は変えていないので流量で頭を制限する形で使っていました。

https://www.printables.com/model/1468403-large-object-print-test

結果として反りなく完走!特に反りにくいことをうたっているDXの方でトライしました。

※破壊後のものです

この大物で最大流量時でおよそ200mm/sで印刷という感じでしょうか。

ただ速ければいいというわけではもちろんなく、実際この大型部品を破壊してみた感じ一部はやはり積層に沿ってしまっているところが見受けられるので実用は速度上限を下げるほうが良さそうですね。

またSnapmaker U1でもマルチカラーユニット向けのテストモデルではありつつ角部が反りやすいこちらのモデルも難なく印刷達成。初期がステンレススチールノズル仕様ということもありそのままで使えてしまうのは心強いです。

https://www.printables.com/model/937776-the-benchbin-multi-color-3d-printing-torture-test

接触面の少なくなる蓋部分もはがれることなく難なくゴール。

オーバーハングに強い

オーバーハングに強い特徴があるということなのでVORONのSBで

https://github.com/VoronDesign/Voron-Stealthburner/blob/main/STLs/Stealthburner/%5Ba%5D_stealthburner_main_body.stl

3DXTECH Obsidian™ PA6-CF

eSUN ePA-CF

Bambu Lab PA6-CF

PRINSFIL PETG-GF

Bambu Lab PA6-GF

KARAKSA DX

また先ほどSnapmakerでの印刷例であげたゴミ箱の突起部下部のオーバーハングでPLA VS KARAKSA DX。
写真じゃわかりにくかったのでガンダムマーカーもどきで色を塗りました。PLAの方では荒れているのに対しDXではきっちりとオーバーハング面でも印刷できているのがわかります。

デジタルマイクロスコープの操作ステージ

なんだか気持ち大学生に戻った気分でダブルヘリカルギアの製図方法をググりデザイン。

過去YouTubeでプリンターに適したギアデザインというような動画で見てからは必要な際は毎回なんとなくダブルヘリカルギアを作るようにしています。手間だけど…。

まず上下の位置固定用ねじは作りたくなかったのでミチミチの設計に。

最初は0.4mmノズルの感覚で緩めに作りBambu LabのPA6-CFなどで印刷していたもののキチキチに。更に緩めようかとも思いましたが0.2mmノズルがせっかく使えるなら!

若干そもそもの印刷の公差が良くなったことと表面性状の違いが功を奏してめちゃくちゃスムーズに。土台とラックギア側はDX、ほかはBXを使っています。

0.4mmノズルでは達成できなかった造形精度を

これはあくまで内径外径をキャリブレーションしたわけではなくノズル径の違いでどこまで変わるかというのを試す目的で。

こちらのドローンフレームのモーターマウント部を印刷してあります。

https://www.printables.com/model/1216454-project-synthara-generative-design-fpv-drone-frame

「印刷したけどなんかはまりが違うな?」もちろん調整するという手もありますしそもそも元のモデル自体を変える、それ以外にノズル径を変えるというのもやはり手法として選択肢が残されているのがKARAKSAの強味ですね。

PAや流量を調整してあげて綺麗に埋めることもできなくもないですが凝ったこともせず天面が綺麗に仕上がるのもKARAKSAの特徴です。

旭化成さん資料より

実際に使う際へのアドバイス

まず印刷終了後は吸湿を待つ!そう、吸湿を待ってください

「早く板から外してサポートも外したい」というはやる気持ちを抑えプレートごとはずして1日くらいおいてあげたほうがベター。私はせっかちなので台所で滝つぼ修行に突っ込みサポート外しに取り掛かりました。形状によっては板ごとなるべく曲げないように丁寧にはずしてがいいかなと思います。0.4mmノズルは形状によってはあまりきにしなくていいかもですが特に0.2mmノズル造形の場合は。

力を入れたというか正確には細かい溝のサポート材を取るためにドライバーで軽くほじくっただけでピシッと線が入りあとは裂けるチーズの如く一周裂けていきました。

吸湿前に力を入れて破壊した場合

対して吸湿後に破壊した場合はこの通り。先ほどの部品とこちらの部品は左右対称です。

同じ印刷条件でもここまで変わってきます。私みたいにせっかちな人は滝修行にまずは出しましょう。

どんな人に向いているか?

今までナイロン系の強化繊維素材の印刷がなかなか難しくてあきらめていた人、CF入りは使えないがかといってGFは表面がざらざらしていて渋っていた…、わざわざノズルを交換するのが面倒で…などいろいろな理由でナイロンに挑戦してこなかった・できなかった人、または当時持っていた3Dプリンターでは印刷できずそもそも選択肢として考えていなかった人。

もちろんPLAやPETGである程度のものは作れてしまいますがやはり用途によっては難しかったり、PA強化繊維系フィラメントも扱いにくいものも多かったり。ブランドががちがちにスライサーで用意している初期設定なのに印刷できないフィラメントも良い例ですね。Bambu LabのPA系はことごとく初期設定で印刷できずPA6-GFなどはベッド80℃に下げてようやく成功しました。

そういった意味でもとりあえず温度さえ合わせて50-100mm/sくらいの領域でとりあえずサクッと攻め込んでいける手軽さはなかなかないなと思います。

摺動性といえばガイド部品やギア部品、ドローンフレームにも今まで考えてなかったような機構を一体造形で組み込んでみたり、サバゲー部品も相性がいいのではないかなと思います。私はといえばやはりもっぱらプリンターの部品をすってばかりではありますがちら載せした操作ステージは完成させて…そのあとはやっぱプリンター、摺動部をKARAKSAまんまで作ってみるとかで遊んでみようかなと思います。

購入先・キャンペーン情報

現在サンステラさんとSK本舗さんで購入可能です!

サンステラモール: https://psych0h3ad.link/KARAKSA

SK本舗: https://psych0h3ad.link/sk-karaksa-f

KARAKSA PA CNFフィラメント情報:

http://www.asahi-kasei.co.jp/karaksa/

旭化成エンプラ総合情報サイト:

https://www.asahi-kasei-plastics.com/topics/tech-09/

公式X: KARAKSAブランドの公式Xアカウントが登場しました!フィラメントの最新情報はこちらから → @KARAKSA_ASAHI

また旭化成さんにこのフィラメントについて直接聞きたいことがある!という場合は

こちらへお問い合わせくださいとのことです。(ページ右上)

今後の展望としては色の展開や他素材バージョンが気になりますね。

今回は案件をいただいたのでMeshyを試してみました。

全体的な印象としてメッシュが破綻しているようなモデルはなく3Dプリントもスムーズに行える感じで出力される傾向がありよかったです。モデルサービスによってはメッシュがガバガバだったり変に分離・穴が開いてることもあり、ゲーム内やレンダリングで使うならいいかもしれませんが3Dプリントに適していない出力が多いサービスもあります。

その点Meshyは相性が良さそうです。

こちらから登録で50%オフとなります!

https://psych0h3ad.link/Meshy

アカウント作成後は「ワークスペース」をクリックで各種生成機能へアクセスできます。

Meshyを主に使う用途は画像もしくはテキストからの3Dモデル生成かなとは思いますが実は画像の生成であったりテクスチャ生成なども可能です。

微妙な生成系ではなくNano Banana Proが使えるのもアツい!

まずは適当に作った画像で。

トランプさんを適当に作ってもらいました。まぁまぁの出来ですね。これはテキストベースで作ったので画像で作るとよりいい具合に仕上がりそうです。こんなモデルをポンポン作ってくれるわけですが現在7000万モデル以上あるようです。自分でモデルを作らないという場合も好きに使っていいよ!というライセンスで公開されているモデルもふんだんにあるのでゲームアセットをいい感じのを探したいという用途でも良さそうです。

お次は自分のモデルを。自分の写真をアップしてChatGPTで作ってもらいました。プロンプトは「俺の大理石の胸像 (腕まで含む)on a white background, minimal, 4K resolution.」

作ったモデルを直でBambu Studioなどに送れる機能も!もちろんダウンロードして取り込めばいいだけなのですがひと手間へらして作業できるのはよいですね。

簡単にボードゲームなどのような台座を追加する機能も。ちょっと微妙なモデルが多かったので拡充されてほしいです。

実際バンブーに送るを押すとこんな感じでポップアップ。

とりわけ問題ないとは思うので「はい」を選択

台座をいれたので怒られてますがとりあえずはい。

ちっちゃい!エラーが出た場合は絶対修復オプションを使ってください。印刷中の失敗の原因になったりします。

今回はSK本舗さんにもらっていた大理石フィラメントでお試し。

ちなみにAIに優しそうな画像じゃなくて写真そのまま読み込んでもある程度作ってくれました。

創造編

画像生成AIを使う際はそれに適した画像を使うのがおすすめです。AIにはAIで最適化!

いくつか作例を。ここら辺はFFF3Dプリンターで作るにはちょっと細かすぎますがスケールアップもしくはレジン系で作るなら良さそうですね。「細かいオブジェクトを無いような感じ」的なものを指示…よりはAIにどんなプロンプトがいい?とそもそも聞いてしまうのがいいと思います。そこらへんはChatGPT、GeminiなりManusなりでやってもらうのがいいかなと思います。


ではもっと独創的な?ものはというと…

反射の部分がちょっと悪影響してそうです。

逆に既に既存のものを組み合わせたような場合はかなり綺麗に。

実際の製品のクイックモックアップ

ちなみに既製品路線で3Dconnexionの画像をなげてみたらやはり画面の反射のところが変にモデルに反映されてしまっていますね。でも結構いい感じのみため…。ぱっと3Dモデルを使いたい場合全然良さそうですね。

出力はfbx, obj, stl, glb, usdz, blend, 3mfが可能で、かつBambu Studioへ直で流し込みのオプションまであります。

また、サブスク以外にもクレジットを獲得できます。まずは私のリンク経由で50%オフを獲得しちゃってください!

https://psych0h3ad.link/Meshy

生成AI以外のメリットも

さて、生成機能が大半の人のメインで使いたい機能かもしれませんが3Dスキャナーを使うユーザーさんにも嬉しい機能が。「リメッシュ機能」優秀です。

まずは適当にアップロード。ワークスペースの右上にあるアップロードボタンから行います。

対応している形式はfbx, obj, stl, gltf, glbそして容量は100MB以下です。

まず読み込み時はこんな感じ。

メッシュで見たい場合は大乱闘スマッシュブラザーズみたいな丸いアイコンを押すと切り替え可能です。

早速リメッシュ。

SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!

めちゃくちゃ綺麗な感じに。もちろんこれは最初からCADで出してるものなのでリメッシュ機能を使う必要はないと思いますが、3Dスキャンモデルのリメッシュなどにめちゃくちゃ良さそうです。

ということでやはり何事も試すところから。RevopointでスキャンしたEIBOS Tetrasのハウジングをリメッシュ!

こちらがオリジナル。

こんな感じに。ここは平らにして!とかできるようになったらもっといろいろ幅が広がりそうですね。

Revopointユーザーならおなじみの像もこんな具合に。

他のユーザーが作ったモデルを見に行くとMeshyへの指示の仕方への参考になります。

こんな感じで確認できます

サンステラさんに提供いただいたのでじっくり見ていきましょう。

H2Sは執筆時点で500時間ほど使ってみました。後述のPTFEの長さ問題以外は特に問題なく優秀ですね。

※本記事中のリンクはアフィリエイトを含んでいます。

まず所感から。

「X1Cを使っててサイズでかいのが欲しい」

これです!これを買いましょう!

サンステラモール:https://psych0h3ad.link/SBBLH2S

以上!

とまとめたいところですがそもそも持っていない人もいると思うので自分なりの選び方のチャートを作ってみました。H2Sのレビューをのんびり書いてたらもう明日からH2Cがリリースなんですね!早すぎる開発速度!

あくまで3Dプリンター目線で書いてるのでレーザーなどの考慮はしていません。

※上記は自由に使ってもらって構いませんがクレジットを消して使った人は来年の昇給がなくなり切羽詰まった印刷が失敗しまくる呪いをかけます!!!

H2DやH2Cを買わずにH2Sを買うべきか悩む場合はメンテ性も考慮してみるといいと思います。H2D/H2Cはまだ使ったことがないのですが構造が複雑故にメンテナンスが必要になった際は手間がかかる場合があります。シンプルに単色で大きいものを印刷したい場合はH2Sでいいのかなと思います。H2CとH2Dの値段が同じという狂った状況なのでとりあえずH2Cでもいいのかなという気もしますがVortekへ印刷失敗品が何らかの形で巻き込まれるといった状況や使い倒してメンテが必要になったときどの程度差があるかは気になるところではありますね。

AMS2 Proを初体験

今までAMS初代だけだったので初めてドライヤー付きかつモーター強化されたAMS2 Proを触れる機会。

良いポイント:AMS初代と比べて負荷エラーに遭遇が少ない

悪いポイント:乾燥しながら印刷ができない。

そう、せっかく乾燥機能はあるんですがプリンターをずっと使ってる人だと使わずに一生を終える可能性も。あくまで印刷で使用していないAMS 2 Proのみ乾燥機能を使えます。2台以上の場合は追加でACアダプターが必要となります。また乾燥機能はリモートで制御不可能です。危ないので家電として禁止しているのかな?というところですがちょっと歯がゆいですね。

Polymakerの紙スプールで4巻以上の連続供給もトライしてみましたがもちろんスムーズに。

マルチカラーをしない場合でもAMSコンボがおすすめです。ちょろっとだけ残ったフィラメント使い切るのはなかなか面倒ですからね。

AMSの初代の様にバラバラにしなくてもメンテができる箇所が増えた点もいいですね。

私みたいにどうしても印刷中もドライヤー機能使いたいよなとか常時自動で乾燥したい人はこちら使ってみてください。EIBOSのTetrasが搭載可能になります。

https://makerworld.com/ja/models/2146457-eibos-tetras-dyas-ams-2-pro-adapter

PTFEが諸悪の根源

どうも大きなものを印刷し始めたら印刷中カチカチ定期的になって印刷も失敗。

理由は付属のPTFEチューブが短いゆえに左手前のあたりなどで印刷物があると抵抗がかかりエラー扱いされてしまうという現象。貴志産業さんとくろまめさんでも同様の問題があり我が家のマシンはPTFEの長さを60cmに延長することで解消しました。

印刷中にカチカチ音が変に聞こえるようならまずは自分のマシンのPTFE長さを確認してみるのが良いと思います。マシンは悪くないのでちょっと残念ですね。

青いほうはちょうど負荷がかかってますというエラー頻発であきらめたもの。

ホットエンド換装が鬼楽に

A1シリーズやH2Dでお馴染みのクイック交換スタイルなホットエンドになったおかげでX1Cと比較してホットエンド、サーミスター、ホットエンド冷却ファンと3つコネクターを挿し直す必要もなければねじ締めもなしという素晴らしい仕様に。

デメリットがあるとすればX1/P1シリーズ向けに大量に出ていた様々なマニアックなホットエンドの大半は使えなくなってしまったという点。魔改造して温度上限上げていたような使い方はちょっと難しくはなりましたが一般の人でそんな使い方は滅多にないので大体の方は特に気にしなくてもいいですね。

センサーが至れり尽くせり

みなさんがどのように使うかわかりませんが私は結構印刷終わったものを本体の上に積み上げたりすることも多く、H2SはPLA印刷時に稼働するフラップが天面と背面に一か所ずつあるわけですがここの上にも間違ってものを置きがち。

でも大丈夫です。センサーが異常検知して通知してくれるので壊れることはないです。また開いた状態で何か間にいれてしまい完了時閉まらない!といった場合も通知してくれます。ズボラユーザーにはうれしい機能。ちなみに初回起動時は背面フラップはシールすらはがし忘れてましたがセンサーのおかげではがし忘れに気づきました。

こちらは私が外し忘れた場所たち。センサー様様ですね。

逆にX1Cと比べると複雑になった部分も多く、インレット部分で乾燥あまりしてない強化繊維系フィラメントが折れて残っちゃった際の救出はX1Cに比べると手間が多い印象でした。材料をしっかり扱ってあげれば基本は快適に使えるかなという印象。

エンプラはどれくらいイケるのか?

ヒートチャンバーはあるが限界はある

H2Sでかいし大きなものを印刷したいな…

わかります。

ただ形状によってはやはりまだ難しさも。

今回は意地悪な超でかい物体をデザイン。

試したい場合はこちらをどうぞ

PC-ABS

こちらはぱっと見印刷できてそうですが…若干反りました。

そもそもPC-ABSの推奨印刷環境は90℃~100℃と記載もあるのでここまで逆に出たのはよしという感じですね。iPhoneケースなどの小物は難なく出力できました。

モデル:https://makerworld.com/ja/models/1808203-iphone-17-air-pro-max-phone-case

今回のデザインはピン角もあったりと印刷に優しくないデザインが多いのでデザインを工夫すればもう少し綺麗にでないわけでもないですがPC-ABS目的ならチャンバー温度を更に確保できるマシンがよいかなと思います。

https://psych0h3ad.link/PCABS

特にピン角は反りやすいのがわかりますね。

こちらも同様。

なだらかなカーブ部は結構粘ってくれます。可能な限りピン角を避けRのかかった緩やかな接地断面形状が良さそうです。もちろんWallを2から3にしたりInfillを増やすとまた更に難易度が上がってしまいますが…。

Polylite ABS

ABSにしてはかなり頑張った方にみえます。ただやはり完全にフラットをはいかずヒートチャンバーがあるとはいえサイズ/形状の考慮はある程度必要ですね。軽微な反りで、天面まで荒れるほどではないので用途によっては問題ない程度かなと思います。ビシッとこのような形状を印刷したい場合はさらに庫内温度を確保していくもしくはGF/CF配合のものを使ったりとちょっと別のアプローチが必要かなと思います。

PRINSFILさんにいただいてたPETG-GF

温度要求や耐候性などそこまでなければPETG-GFも候補に良いかなと思います。

GF系は総じて表面が細かいファジースキンの様になり積層感を隠せるので意匠的な用途にも向いています。

CC3D PCフィラメント

形状面でいけば例えばCC3DのPCフィラメントで印刷したこちらもしんどかったようです。材料x形状も重要なポイントですね。

https://amzn.to/4pCp4vR

今まで結構材料は適当な設定印刷してたのですがそれでは立ち行かないと気づきました。

Bambu Lab H2Sはプリセットが少なすぎる!

そう、なんだかせっかくヒートチャンバーも増えたわりには全然エンプラ向けの設定がなく、PLAやPETGがちょっとあるだけ。

もちろん自分でも作成できますがそもそもここに入ってるBambuフィラメントの設定もテスト済みなのか怪しいところ。というのも純正のPAHT-CFは純正設定でも反りまくり。

Polymaker PA6-GF

これはBambu Labのデフォ設定で印刷しましたが失敗。

印刷初期は良さそうに見えるけど…

反りました!残念!

ここで何を変えたか?

まずはPolymaker PA6-GFに記載されてる50℃まで下げる。

ヒートチャンバーの温度はBambu Labのだと60℃設定なのでとりあえず40℃まで下げる。

あとは印刷温度が低めだったので280℃-290℃あたりへ消音。

Brimの追加などはなしにビシッと出てくれました。はるかぜポポポさんありがとうございます!

PLAなどは正直雑でもいいですがこういった素材は結構ブランドごとに違いますししっかりと調整した方が良いということがわかる良い経験。

ちなみに0.4mmノズル0.2mm積層、Wall幅は全て強制で0.4mm、Wall/Top/Bottomが5、インフィルは40%でGyroidを使用。初期層速度は50mm/s、OH速度は25%:15mm/s、10%:20mm/sまで下げています。誰かの参考になれば。

ただ完璧ではなく複数一気に出そうとした際やはり反ってしまいました

なぜかPoop撒き散らかしがち

複数のAMSをつなげたい!

マルチカラーのみならず複数素材を使うとなるとAMS 2 ProやAMS HTを複数使いたいところ。

しかしH2SはP2Sとは違って一か所しかPTFE接続箇所がなく、切り替えの度PTFEを繋げなおすのは手間だったので4 in 1 アダプターを購入。私はAliExpressから購入してしまいました。

更にいろいろつなげたい場合はWikiを参照してみるといいと思います。

https://wiki.bambulab.com/en/ams/manual/multi-model-AMS-compatibility-guide

AMS HT

AMS 2 Pro以外にもAMS HTを買ってみました。Bambu Lab PA6-CFフィラメントを使おうとしたら怒られました。そう、AMS HTのページだといけそうな感じですがフィラメントのページを見ると確かに未対応のようです。

PA6-GFが対応しててPolymakerのPA6-GFを使えてたのでてっきり使えるものかと思いましたが無理みたいです。繊維強化系を使いたい場合は事前に要チェックです!

地味Tips

もしサイズギリギリのものを作っていたり部品同士をゼロ距離レベルで配置した際にBambu Studioでエラーが出た場合はZ方向調整タイプをスパイラルから普通に戻してください。スパイラル状に動きながらホップすると本来のノズル位置以上に場所が必要になるので場合によってはエラーになります。ここはスライサー側で自動でカットしてくれるわけではないので一応参考までに。

PC-ABSとかビシッと出したい!どうしても…え?印刷できるんですか?

そうです。もちろん方法があります!そんな方は下記のプリンターを!

FUNMAT PRO 610 HT

https://psych0h3ad.link/S610HT

FUNMAT 310 NEO

https://psych0h3ad.link/S310N

個人ないし導入をちょっと検討するには…高い!ちょっと無理!

そうだと思います。そんな時はまずはお試し印刷をおすすめします。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000083219.html

サンステラさんのMeviyマーケットプレイスページはこちら

https://psych0h3ad.link/MeviySS

もし依頼してみようかなという際は弊ブログを見ました!と付け加えていただけると嬉しい限りです。(FUNMAT購入でもぜひ!)

610HTで印刷してもらったもの。ばっちばちに出ています。わかりやすいようにH2Sの中に置いてますがH2Sで印刷したものではありません。一部焦げてるところなどあるもののこちらは調整なしにとりあえず出してもらったサンプルなので通常納品時には発生しないかと思います。

こちらはちょっとスケールを変更して310 NEOで印刷してもらったもの。こちらもビシッと。

とはいえサクッとある程度の素材が綺麗に出てしまうH2Sのお値段…。

執筆時点でコンボ249,800円で買えてしまうので素材を代替できる候補があるならH2Sを複数台持ちの方が生産効率も高くダウンタイムもなくせて良さそうな気はします。

仮に400万くらいのマシンを買うと同じ予算で16台。16台のH2Sを取るか1台を取るか、H2Sを買って必要な時は外に頼るか。いろいろなシナリオがあるので自分のプランと相談してみてください。

Creality HiのあとにEnder-3 V4が発表されたかと思ったら今度はCreality SPARKX i7とガラッと変わりましたね。

Bambu Lab A1とかなり似た外観に主にはAI機能をうたって簡単につかえるよ!という建付けのマシンですね。

カッターを押す機構の配置が真逆なだけであとはA1にPanda Auraが付いたような見た目。ステータスライトの役目にもなっているようです。やはりゲーミング仕様こそ最強!

とまぁぱっと見はあまり進化を感じませんがホットエンド部は興味深い仕様に変わっています。

公式HP : https://psych0h3ad.link/CrSparkX

新たなクイックスワップ方式のホットエンド

ホットエンドはクイックスワップ方式、かつジャムの瓶の蓋の構造の様になっているので今あるBambu LabやFlashforgeのワンタッチ交換ノズルよりもさらに使い勝手が良さそうです。他のメーカーのはもちろん昔より交換しやすくなったものの若干まごつく感じと指先が痛い…というところがありましたがこの方式でどの程度改善されるか実機を触れてみたいところですね。

Pressure Advanceにしっかりと本当の意味で対応

今までのマシンはPA調整機能あるよ!といいつつただパラメータ読み込むだけのものが多かったですがこちらはちゃんとどのフィラメントでもPA補正をきっちりしてくれる様子。

気になるのが適当に速度パラメータいろいろいじった際ほんとうに印刷しながらリアタイで調整してくれるのか印刷前だけのざっとしたキャリブレーションなのか…。今後の続報に期待。

Creality CFSに兄弟が登場

CFS、Crealityのマルチカラーユニットに新たにC、Lite、Miniが登場。Cはちょっと別枠なので割愛します。

CFS LiteはいわばAMS Liteのデメリットであったフィラメント外気に晒しっぱなしなところを改善したような存在。CFS Miniはマルチカラーではなくフィラメントの連続供給を目的にしたもののようです。CFS Mini、Klipper制御の他のブランドでも使える仕様になったら熱いですね。Infinitiy Flowなどを使わずに済みそうです。

各種製品仕様

翻訳しておきました。引用元載せていただけるならご自由にお使いください!

SPARKX i7 仕様

基本仕様
モデル名 SPARKX i7
造形方式 FFF(熱溶解フィラメント製法)
造形サイズ 260 × 260 × 255 mm
本体サイズ 470 × 423 × 456 mm
本体重量 9.12 kg
入力電源 100-240V~ AC 50/60 Hz
定格電力 700W@220V / 400W@110V
ディスプレイ 2.85インチ カラータッチスクリーン
印刷性能
印刷速度 ≤ 500 mm/s
加速度 ≤ 10000 mm/s²
印刷精度 100±0.1 mm
積層ピッチ 0.05-0.3 mm
対応フィラメント PLA / PLA-Silk / PETG / TPU / PLA-CF
レベリング方式 フルオートレベリング
インプットシェイピング 対応
プレッシャーアドバンス 対応
エクストルーダー・ノズル
エクストルーダー ダイレクトドライブ
クイックスワップホットエンド 対応(工具不要)
フィラメント径 1.75 mm
ノズル径 0.4 mm(0.2/0.6/0.8 mm互換)
ノズル温度 ≤ 300 ℃
ヒートベッド温度 ≤ 100 ℃
ビルドプレート 両面ゴールドテクスチャPEI
スマート機能
AIカメラ 720p(照明付き)
スパゲッティ検出 対応(AIカメラ使用)
ビルドプレート検出 対応
空中印刷検出 対応
フィラメント切れ検出 対応
フィラメント切れ再開 対応
フィラメント絡まり検出 対応
カッター摩耗監視 対応
停電復帰機能 対応
ステータスライト フルカラーRGB
接続・ソフトウェア
ファイル転送 USBドライブ / Wi-Fi
Wi-Fi 2.4 GHz
接続ポート RS 485(6ピン)
ストレージ 8G EMMC
対応ファイル形式 G-code / 3MF
スライサーソフト Creality Print 6.3以降
ファームウェア Creality OS
UI言語 英語/ドイツ語/スペイン語/フランス語/イタリア語/ポルトガル語/ロシア語/トルコ語/日本語/韓国語/アラビア語/中国語
CFS対応・その他
CFS Lite 対応
CFS Mini 対応
ベルトテンション 手動

CFS Lite製品スペック

CFS Lite 仕様

基本仕様
製品名 CFS Lite
対応モデル SPARKX i7(他モデル対応予定)
本体サイズ 362 × 227 × 364 mm
本体重量 3.42 kg
電源供給 24V DC(RS 485ケーブル経由でプリンターから給電)
定格電力 10W
接続ポート RS 485(6ピン)
通信プロトコル RS 485, CAN 2.0
フィラメント関連
フィラメントスロット数 4
フィラメント径 1.75±0.05 mm
対応スプール 1kgスプール(直径195-202mm、厚さ42-68mm)
対応フィラメント PLA / PETG / PLA-CF / TPU(ショア硬度64D以上)
フィーディングモーター 4(各スロットに1つ)
機能
乾燥方式 乾燥剤
マルチカラー印刷 対応
複数台連結 非対応
自動フィラメント識別 対応(Creality RFIDフィラメント使用時)
自動フィラメント補充 対応
フィラメント切れ検出 対応
プリロードフィラメント 対応
空中印刷/絡まり検出 対応
ステータスインジケーター 白/赤 × 4

CFS Mini製品スペック

CFS Mini 仕様

基本仕様
製品名 CFS Mini
対応モデル SPARKX i7
本体サイズ 187 × 138 × 63 mm
本体重量 0.4 kg
電源供給 24V DC(RS 485ケーブル経由で給電)
定格電力 10W
接続ポート RS 485(ポートなし)
通信プロトコル RS 485, CAN 2.0
フィラメント関連
フィラメントスロット数 2(オープンラック)
フィラメント径 1.75±0.05 mm
対応スプール 内径32-70mm、外径≤220mm、幅10-70mm
対応フィラメント PLA / PETG / PLA-CF / TPU(ショア硬度64D以上)
フィーディングモーター 2(各スロットに1つ)
フィラメント保管方式 オープン
機能
マルチカラー印刷 非対応
複数台連結 非対応
自動フィラメントロード/アンロード 対応
自動フィラメント補充 対応
フィラメント切れ検出 対応
プリロードフィラメント 対応
フィラメント絡まり検出 対応
ステータスインジケーター 白 × 2

本記事中にはアフィリンクを使っております。

※本情報はSnapmakerにいただいた情報を翻訳しております。またリンクにはアフィリエイトリンクを使用しています。

2025年12月10日、コンシューマー向け3Dプリンターで世界をリードするブランド、快造科技(Snapmaker)は、シリーズBラウンドで数億元の資金調達を完了したことを正式に発表しました。このラウンドは、高瓴創投(Hillhouse Capital)と美団(Meituan)が共同でリードし、顺为资本(Shunwei Capital)、美团龙珠(Meituan Longzhu)、南山战新投(Nanshan Zhanxintou)が参加しました。既存株主である同创伟业(Cowin Capital)と东证资本(Dongzheng Capital)も追加投資を行っています。調達した資金は、コア技術の研究開発、優秀な人材の採用、そしてコンテンツエコシステムの構築に充てられ、コンシューマー向け3Dプリンティング技術の普及を加速させることを目指します。

▼Snapmaker各種SNS

3-in-1からマルチカラー3Dプリンティングへ:クラウドファンディング記録を次々と更新

2016年の設立以来、快造科技は「誰もが物理的な世界で自由に創造できるようにする」という使命を掲げ、コンシューマー向け3Dプリンターの分野で事業を深化させてきました。同社は、世界の3Dプリンター関連のクラウドファンディング記録を次々と塗り替えています。

•2019年:Snapmaker 2.0が5,400万人民元以上を集め、テクノロジー部門における当時の世界クラウドファンディング記録を更新。3Dプリント、レーザー刻印、CNC彫刻を一台でこなす「3-in-1」という多機能カテゴリを切り開き、世界シェアNo.1を獲得しました。

•2025年:フラッグシップモデルであるSnapmaker U1 3Dプリンターが、1.5億人民元(約2,000万米ドル)を超える資金を調達。これは3Dプリンター史上最高のクラウドファンディング額となり、2万人以上の支援者から支持を集め、効率的なマルチカラー印刷に対する市場の強い需要を証明しました。

Kickstarter : https://www.kickstarter.com/projects/snapmaker/snapmaker-u1-color-3d-printer-5x-more-speed-5x-less-waste
プレオーダー(Snapmaker公式サイト) : https://psych0h3ad.link/smU1

ユーザー志向の製品イノベーションが導く、3Dプリンティングのマルチカラー時代

快造科技の継続的な躍進は、ユーザーニーズの的確な把握と技術の深い統合から生まれています。1,000件以上のユーザーフィードバック分析と詳細なインタビューを通じて、チームは「マルチカラー印刷」が新しいデバイスを購入する際の主要な動機である一方、効率の低さや材料の無駄といった共通の課題が存在することを突き止めました。

これまでのマルチツールヘッド連携や高精度部品の自社製造で培った技術を基に、U1は革新的なSnapSwap™独立四頭並列システムを導入。これにより、複数材料の迅速な切り替えを実現し、特にマルチカラーのフレキシブル素材応用の新たな可能性を切り開きました。5倍の高速化と5倍の材料節約を実現し、ユーザーにスムーズで色彩豊かな創作体験を提供します。

現在、Snapmaker U1のクラウドファンディング注文分はすべて出荷完了しており、2026年第1四半期にグローバルでの発売を予定しています。これにより、同社の来年の収益は数倍の成長が見込まれています。

資金調達を追い風に、人材採用とエコシステム構築を加速

今回の資金調達は、単なる資金の補充に留まりません。これは、快造科技が『製品のリーダーシップ』から『エコシステムの完成』へと飛躍するための重要な節目です」と、快造科技の創業者である陳学棟氏は語ります。「私たちは、主に3つの分野に重点を置いて取り組みます。

1.コア技術の研究開発の加速:マルチカラー印刷や高速成形といったユーザーの課題を解決します。

2.グローバルな人材配置の拡大:特にハードウェア開発、AIソフトウェア、コンテンツエコシステムの分野でトップクラスの人材を募集します。

3.オープンなエコシステムの構築:クリエイター、開発者、サプライチェーンパートナーと連携し、創造のハードルを下げ、3Dプリンターを誰もが使える『汎用的な』創造ツールにしていきます。

イノベーションの核心は人材にあると私たちは信じています。快造科技は現在、機械電子、ソフトウェアCNC、マーケティングなどの分野で主要なポジションの採用を積極的に行っています。快造科技に参加し、共に素晴らしいものを創造しませんか!

※現在日本在住の方の採用は行っていないとのことです。深セン在住もしくは在住予定の方で興味がある方はぜひ挑戦してみてください!

どうも、YuTR0Nです。

今回はQIDIさんからQ2 Comboを提供いただいたので見ていきましょう。ちなみに執筆時点で418時間ほど使用しました。

個人的にはPLAで使うよりもエンプラでゴリゴリ使って楽しい機体かなと思ったので418時間のうちのほとんどはQIDI純正のABS-GF25フィラメントを使用しました。今までできなかったGF/CF系でマルチカラー印刷ができて楽しい一台です。

2026/07/27追記:その後も使い続け、現在は45日間・1,080時間超えになりました。長期使用してどうだったかは記事末尾の追記セクションにまとめています。

本記事中のリンクはアフィリエイトリンクを使用しております。

フィラメントに優しい経路設計

Riser(ライザー)のおかげでQIDI BOXからツールヘッドまで、特にツールヘッドにさしかかる庫内でのPTFEチューブの曲げRが緩やかになっているのが非常に素敵です。

提供初期の際は付属していませんでしたが現在発送されているものはRiserと同梱になっているかと思います。私の知る限りでは射出成型品としてしっかり製品の一部としてRiserを同梱したのはこのQIDIのQ2が初めてな気がします。

最初のうちは印刷品データをいただいていたのでABS-GF25で印刷して使っていましたがやはり射出品はPLA用などのフィラメント印刷時にオープンする窓部がしっかりとしていていいですね。もちろん印刷する手間がないというのが一番うれしいですが。ちなみにQ2 ComboでRiser使用時高さが43mmほど高くなります。

Riserを使わない場合黒いドラッグチェーンのすぐ上あたりが天蓋になります。

Riserとは?
BambuLab X1を皮切りに始まった高速CoreXY 3Dプリンター類に多くみられる構造としてプリントヘッドへフィラメントを供給するPTFEチューブが天蓋を擦ってしまうレベルできついRで配置されてるが故にマシンによってはフィラメント切り替え・供給が不安定になったりフィラメントが折れやすいなどといった問題が発生しやすい場合がありそれを解決するために天蓋を上げる”Rise”するという機能をもったものです。

便利なQIDI BOX

印刷中も乾燥することが可能!追加でACアダプターなど買う必要ももちろんないです。

※QIDI BOXは最初に発送してもらったものから仕様変更があったため418時間のうち新型使用は100時間程度(初稿時点。その後も使い続けているため現在の累計は不明です)

【追記 2026/07/20】
ファームウェアバージョン 01.01.02.03 では、本体画面やFluiddの画面からマニュアル乾燥を開始できなくなっています。ただしコンソールで SET_HEATER_TEMPERATURE HEATER=heater_box1 TARGET=60 を打ち込むか、サーマルプリセットを作成してあげればQIDI BOXの温度を設定して乾燥できます。(TARGETの値はお好みの乾燥温度で)

QIDI BOXはABS-GF25程度までなら問題なく利用できます。PPA-CF/PAHT-CFなどは固すぎてロードできません

また背面のPTFEの配置は負荷が少なくなるようにしてあげないといけないので注意が必要です。付属のPTFEをまとめるパーツでバッファーへのエントリーが緩やかになるようにしてください。壁ギリギリ配置はそもそもパージされた材料排出スペースも必要なのでおすすめしません。

スライサーともスムーズに連携

本体のフィラメント情報の同期も簡単に。

色同期はボックスマークをぽちっと押せば完了。

マルチカラーのお手並み拝見

マルチカラーの耐久としてはやはり大量のMakerChip印刷!3DPrintopia向けに数百枚印刷してもっていきました。

下記はすべてQIDI ABS-GF25にて印刷。GF系のフィラメントは色の発色もよく気に入っています。CF系だとどうしても暗い色になってしまいますからね。さらなるカラバリの拡充とお値段を更に大量購入向け割引を用意してもらえないかな~と期待しています。

右のものは間違ってパージ対象にしてしまったので色が混ざっています。

こちらはQIDI ASB-GF設定でPhaetus aeWorthy ABS-GFにて印刷。

QIDIのものは25%GF配合に対してPhaetus aeWorthyは10%。ちょっとTDSを見てみましたが残念ながら微妙に条件が違い比較はできなそうです。通常系のABSでも同様の比較をしてくれていると比較しやすそうですが。同様に温度x押出圧力のグラフも見てみたいですね。

見比べてみると色は同じ…でしょうかね?

こちらもPhaetus aeWorthy ABS-GFにて印刷。下記の様に底面が白化してしまっている部分はバーナーなどでさっと炙ってあげることで消すことができます。やけどにはご注意。

RFIDに対応

QIDI純正でRFIDタグ付きのものはもちろんのこと、いろいろ独自でやりたい人向けに仕様も公開済みです。興味がある人はみてみてください。フィラメントの在庫管理などにも役立てられそうですね。

https://wiki.qidi3d.com/en/QIDIBOX/RFID

バッファー

初期モデルからバッファーも変更。この初期の横向き配置は経路をしっかりしてあげないと切り替えが不安定でしたが縦向き配置+新バッファーでは一発目からマルチカラーで安定していていい感じです。ピン数も4ピンから5ピンに代わっていますね。

ほぼ最大サイズでも問題なし

H2Sのテスト用に作ったモデルを80%縮尺でQIDI ABS-GF25にて印刷。これだけで1,000円分以上のフィラメントが消えていきます…。大物でなおかつピン角など多いような反りやすいものはもちろん角部に追加で”Tab”をつけたりブリム機能を使うなどといった方法もありますが印刷可能範囲が狭まりますし、後処理が追加で必要かつ…つけても反る場合はあります。そんなときはCF/GFなど繊維配合のものを使用するのがおすすめです。

https://www.printables.com/model/1468403-large-object-print-test

印刷前は開封直後だとしてもまずはQIDI BOXを使って乾燥させてから使用しましょう。またQIDIからの推奨でCF/GFなどの強化繊維系はQIDI BOXを乾燥時と同じ温度に設定して印刷してくださいとのこと。常温よりもフィラメントが柔らかくなり途中で折れてしまうのを防ぐ目的かなと思います。

PEIシートごと沿ってしまうということもなくビチッと印刷完了。一層目のインフィル速度は50mm/sに落としています。またインフィルパターンはGyroidを使っています。デフォだとGridが多いですが構造上クロスして同じ高さでぶつかりまくるので失敗を避けるという意味でもGyroidにて。

こちらはオーバーハング部分。ここを更に綺麗にしたい場合はオーバーハング速度を遅めに設定してあげてみるといいかもしれません。

QIDI STUDIO

基本的にはBambuStuidoベースなのでとっつきやすいかなと思います。ライセンスにのっとりしっかりと公開されています。

https://github.com/QIDITECH/QIDIStudio

フィラメントの比較なんていう便利機能も!こちらは日本語がちょっとおかしかったのでGitHubでプルリクを投げておきました。

ベッドの傾き調整

ベッド自体は出荷時に調整はしているので更に傾き修正したい場合はレベリングノブを調整して並行出しとのこと。

こちらは未調整の状態。全体で最大0.35mmのふり幅があるということです。

さて。この0.35mmの傾きをどうとらえるかは人によるかと思いますが私はこのサイズであれば問題ないかなと思います。ざっくりではありますが例えばの例で。

仮に対角で0.35mmずれてたとして0.05度しか傾きは発生しません。

対辺でずれてたとしても0.07度しか傾きは発生しません。厳密にはこんなきれいではなく見ての通りうねっているので局所的にはもう少しあるものの10万切りで買えるマシンでそこまでのものをしかも収縮のある樹脂で作るか…というと多分作りませんよね。

Platform Caliblation機能を使って傾きを更に補正は可能です。ノブは結構硬めというかノブが小さいので回しにくいという感じですね。普段使う素材の温度までベッド温度を上げた後にベッドメッシュを行い結果に従って調整していく感じです。この程度であれば小物の印刷では特段問題ないですが組み合わせ前提の大型部品の場合や底面と上面ないしどこかの並行が重要な場合は調整をおすすめします。

ただPEIもシボ加工されていますしどこまで厳密さを極めるか、個人的には軽くやっておけば問題ないかなと思います。あとは印刷終了後は室温になるまで待ってから取り外すといった印刷以外の工夫でも反りの低減ができますね。

ちなみにPEIシートのアライメントは片手でも問題なくビシッと決まるので気に入っています。

プレート端部のところは仕様上すれていくのでお気になさらず。

ゴミに注意!

プラットフォームキャリブレーションを使うとZ軸が一番下まで下がってきます。普段はZ軸原点は上なので背の高いものを印刷しない限り下には降りてこないので問題ないですが、リニア軸のところはゴミが入ってしまう構造になっているのでここは常日頃印刷のカスなど入らないように気を付けましょう。

せっかくなのでサクッとシンプルなキャップを作っておきました。

あとではずしにくくなっても困るので緩めの寸法で設計してます。可能なら見やすい色で作った方がいいかもしれません。STEPファイルを使いたい場合はスライサーの分割機能で割ってあげてください。

https://www.printables.com/model/1482415-qidi-q2-z-axis-cover

またフィラメントの乾燥はQIDI BOXメインで行っていたので気づきませんでしたがベッド&チャンバーヒーターを活用するモードでプリセットがちょっと荒ぶっている問題はQIDIに連絡しておきました。

ちなみにこのモードを使用した場合でも下までは下がらないのでカバーを外す必要はなさそうです。

MET認証取得済み

MET認証とは、米国メリーランド州に本拠を置くMET Laboratoriesによって付与される製品安全認証です 。MET Laboratoriesは1959年に設立され、米国労働安全衛生局(OSHA)から米国で最初の国家認定試験機関(NRTL)として認定されています。普段仕事をしている際はUL認証ばかり聞くので勉強になりました。

Eurofins Electrical & Electronic...
About the MET Mark There are several types of MET Certification Marks, described below. Each has its own specific meaning and significance.The MET marks may only be used on

つまり、METマークが付与されたQIDI Q2 Comboは、米国の連邦法が定める厳しい安全基準をクリアし、製品の設計や構造が、火災や感電といった潜在的な危険からユーザーを保護するために適切に設計製造されているということですね。

熱源を多く使う製品故にこういった認証を取得しているのは安心感があります。電源はもちろんのことベッド、ホットエンド、ヒートチャンバーなど適切に設計されていなかったら火事の原因となるものを多く含む3Dプリンターだからこそ。PLUS 4ではいろいろありましたがそこから適切に設計思想をアップデートしてきているなと感じます。

認証の詳細はこちら

https://drive.google.com/drive/folders/1n1TOk4A1eXKFWKFvB2DpL5gCa2aSRFYa

どのような部品を選定しているかも確認ができます。

スパゲッティは検出できるのか

絶対に失敗しそうなモデルでトライ…するのはちょっともったいないのでこちらはしばしお預け。

QIDI Q2はSSHアクセスも可能

ID: mks パスワード makerbaseです。TeraTermなどを使えばいいかなと思います。

SSHってなに?

SSHというのは…現時点で知らない場合はそもそもアクセスしないことをおすすめします。高確率で変な変更を加えて保証がなくなるだけになる可能性があると思います…。

Rootユーザー権限ではないですがちょっとはいろいろできそうです。ただしもちろん自己責任で!変更加えたことによる故障は補償対象外になるのでご注意を。

“警告: システムファイルの変更や非公式プラグインのインストールは、公式サポートを受ける期待を無効にします。プリンターのセキュリティと安全性については、お客様が単独で責任を負うことになります。これらの変更から生じるファームウェアの問題は、保証の対象外となります。”

今後の改善に期待する点

PAHTなど固いフィラメントの場合はQIDI BOXが使えないので外部スプールホルダーを使う必要があります。

初期モデルのQ2コンボでは使用していなかったスロット、外部スプール向けのホルダーをつけるスロットが、新しいバージョンのQIDI BOXとの組み合わせになってから供用になってしまったため、外部供給したい場合いちいち外す必要があります。

この辺りはBambuLab P2Sのような外部供給向けとQIDI BOX向けで2連になったハブデザインに代わるとより快適に使えるのかなと思いました。

またQIDI BOXでUnload時に巻き取りすぎてしまうところはちょっとソフト側で改善してフィラメントが完全に巻き取られる手前で止めて手動で抜く仕様にしてほしいなと感じました。こちらはQIDIにFB済みです。

また性能には影響しませんがABSメインでかなりヘッド周りが黄ばんでしまったのでこの辺りは黒い部品でかっこよく引き締めても良いのかな?と思いました。

またフィルター交換の蓋がちょっと硬すぎますね。もう少しだけ簡単に開くようになってほしいかなと思いました。(印刷中外れない程度で)

【追記 2026/07/27】45日・1,080時間稼働してのその後

公開後も回し続け、通算で45日間(1,080時間超)の稼働になりました。結論から言うと庫内ヒーターを含めて全て快調で、この期間に故障やヘタりといったトラブルは出ていません。

メインは相変わらずQIDI ABS-GF25で運用しています。エンプラ寄りの使い方でこれだけ連続で回して問題が出ないのは素直に優秀です。

QIDI BOXも初稿時点では新型の使用が100時間程度でしたが、その後もずっと使い続けているので今となっては累計時間は不明です。それでも特に問題は出ていません。

ちなみに私の使い方はマルチカラー/マルチマテリアルではなく、連続供給と乾燥がメインです。フィラメントが切れても止まらずに次へ繋いでくれるのと、印刷中ずっと乾燥した状態を維持できるのが大きく、ABS-GF25のような吸湿を気にする素材を長時間回す用途ではここが一番効いています。

スクレーパーは用意しておきたい

これはQIDIの最近のマシンに共通して言えることですが、PEIシートへのABS-GFの食い付きがかなりいいです。印刷中に剥がれないという意味では大きな強みなのですが、その分プリント後に外しづらい場面も出てきます。BIQUなどが出しているスクレーパーを1本持っておくのがおすすめです。

私が使っているのはPanda Edgeの初代(青いやつ)です。削り出しのボディはロマンがあっていいですね。現行は下記のV2になります。

BIQU Panda Edge V2
BIQU
BIQU Panda Edge V2

ファームウェアアップデート後はキャリブレーションを
これはQ2に限らず他のプリンターでも共通ですが、アップデートが入った後は基本的にキャリブレーションを一通りやり直しておくことをおすすめします。挙動が変わる場合があるので、走らせておいた方が安心です。

番外編

実はQ2Cもそろそろくるとかこないとか。ただエンプラ重視の場合はQ2でGoでいいかなと思います。

またQIDIの工場は以前PLUS 4製造されていた際寄ったのですがQ2のはどんな感じ?!ということで特別にお写真頂きました!

どうも、YuTR0Nです。

今回はHotなニューマシン登場とのことでプレスリリース記事です。

※本記事中のリンクはアフィリエイトリンクを使用しています。ドイツ旅行の足しにさせてもらいます。

QIDIがドイツで開催される3Dプリント業界で最も有名な展示会のひとつ、Formnext 2025へ出展。QIDIは、コンシューマーグレードの密閉型プリンターの中で最大級のプリントサイズを誇る「大きなプリントサイズと高い精度の両立の難しさ」という業界の課題を解決した、新しいフラッグシップ3Dプリンター「QIDI Max4」を展示。

今後弊ブログでもレビュー予定ですのでお楽しみに。今回はプレス内容を引用しつつ私目線のコメントを入れていく形式で!

ご購入はこちらから!

https://psych0h3ad.link/QIDIMAX4

お値段はMax4単体が177,999円、Max4 Comboが200,999円となっています。

ただし、11/14-12/8の間は162,999円、Max4 Comboが185,999円となります!

QIDI Max4:最高級の仕様を備えた最大級の密閉型デスクトッププリンター

QIDI Maxシリーズは、その大判で汎用性の高い印刷機能で知られていますが、QIDI Max4で次世代を迎えました 。390×390×340mmのビルドボリューム(以前のMax3より55%大きい)を備えたQIDI Max4は、大規模な工業部品、複雑な金型、カスタマイズされたプロトタイプの製造に最適であり、プロフェッショナルユーザーの可能性を大幅に広げます。

QIDIのMaxシリーズの進化というよりデザイン的にはQIDI PLUS4/QIDI Q2系デザインの強化版といった方がわかりやすそうですね。Q2でもある程度大型化270x270x256、PLUS 4は305x305x280mmときてMax4は390mmもあるので大半の人はもうこのマシンサイズさえあれば事足りてしまいそうです。

この390×390 mmのヒーテッドベッドは、高密度に配置されたヒーティングワイヤーを備えた全面シリコンサーマルレイヤーを特徴としており、クラスで最も均一な設計の1つです。高効率の断熱綿の最下層と組み合わせることで、表面全体に非常に均一な温度分布を実現します。これにより、強力な第一層の接着と安定した温度制御が保証され、大判で反りのないプリントに最適です。

不均一な配置のヒーターや中央部だけ配置のヒーターだとヒートベッドの温度が均一にならず特に大きなものを印刷する際に影響が出てきますがどの程度均一になるのかサーモグラフィーで確認してみたいですね。

QIDI Max4は、新しい高流量ホットエンド(40mm³/s)を搭載し、プリント速度を大幅に向上させ、大型部品の製造サイクルを短縮します。硬化鋼ノズルは、標準的なPLA、ABS、および研磨性のある炭素繊維強化ナイロンなどの一部の工業用材料との互換性を保証します。

高流量のホットエンドがトレンドになりつつあるのはマシンの速度自体が数年前と比較して数倍になったというところが元ではあるかと思います。ただ100mm³/sなどが必要かといわれると0.4mmノズル加速度10Kくらいでは40mm³/sで十分かなとは思います。

また、QIDIが独自に開発した革新的なアクティブツールヘッド冷却システムも初搭載されています。「ポーラークーラー」と名付けられたこのシステムは、冷気をエクストルーダーとフィラメントに直接送り、熱放散を大幅に改善して詰まりを防ぎます。これは、最適化された空気循環で最大65°Cのチャンバー温度を維持する第2世代のアクティブチャンバーヒーティングシステムによって補完されます。これらが一体となって、ABS、ABS-CF、PCなどの高温材料を完璧に印刷するための理想的な環境を作り出します。

これは非常に面白いものですね。他社向けのサードパーティー品で似たものはありますが図を見る限りはフィラメントドライヤーではなく完全に独立した冷風送風ユニットのように見えます。この冷却された空気がどこまでエクストルーダー周りまで届くか興味深いです。これが何の役に立つかというと例えばPLAなどが密閉状態で印刷されたとき環境温度につられてコールドエンドあたりでヒートクリープして詰まってしまう減少などが防げるようになるわけです。

QIDI Max4:安定性と精度の基準を再定義

精度と安定性を向上させるために、QIDI Max4はXY軸に新しいクローズドループモーターシステムを組み込んでいます。このアップグレードには、次の3つの主な利点があります。

最近はクローズドループ採用のマシンが増えてきましたね。そろそろ自作マシンもクローズドループを主流にしていくべきでしょうかね…。クローズじゃないと逆にどうなるか、というとオープンループ式ではイメージでいうと指示だけ与えるのでバスケットボールをシュートした際ゴールに入ったかどうかはわからないというスタイルに対して、クローズドループであればボールが何処に行ったか把握している…というようなイメージで多分大丈夫です。やりっぱなしか指示を与えた後の状況を把握しているかですね。そのためオープンループの場合は脱調したらそのまま永遠にレイヤーシフトしたままになります。

より高い安定性

このシステムは、クローズドループエンコーダーを介してエラーを監視し、偏差を即座に補正することで、ステップ損失を防ぎ、レイヤーのずれを大幅に削減します。

高速稼働時にステップロスしたとしても検知して修正できるということなのでレイヤーシフトしてしまうことを恐れず高速印刷が楽しめるということでしょうか。楽しみです。

精度の向上

トルクリップルが減少することで、「波紋」や「コギング」などの表面のアーティファクトが大幅に減少します。

印刷物表面に現れる波模様には原因がいくつかありますがその中でもモーター起因のものを減らせるということですね。ちなみに1.5GTベルトも改善に貢献する要素です。

効率の向上

モーターは高速でより低温かつ静かに動作し、内部コンポーネントへの熱の影響を軽減し、プリンターの動作寿命を延ばします。

モーターの耐熱温度はかなり高いですがそうはいってもずっと発熱しているといいかというわけでもなく、周りのコンポーネントにも熱が伝わりますし熱が抑えられているに越したことはありませんね。

新たなZ軸機構

超安定Z軸により、優れた表面仕上げを実現します。完璧を目指して設計されたZ軸は、2mmのリードスクリューとアンチバックラッシュナットを利用して、卓越した安定性を維持し、垂直方向の遊びを排除します。この精密なエンジニアリングは、より滑らかな動きと向上したZ軸精度に直接変換され、レイヤーラインを効果的に最小限に抑え、背の高いプリントでも優れた表面ディテールを生み出します。

PLUS4/Q2で特に文句はありませんでしたがそこからさらに洗練されるのは大歓迎ですね!サイズが大きくなっていることもありさらに堅牢な構造にするというのは大物印刷で特に効いてきそうです。印刷物の重量も増えてきますしね。

QIDI Max4は、新しい自動レベリングセンサー、工業用グレードのリニアレール、カスタムの1.5GTベルトなど、広く評価されている機能を組み込むことで、パフォーマンスをさらに向上させます。この堅牢な構造により、非常に滑らかで正確なモーションコントロールが保証され、優れた印刷品質と向上した耐久性が実現します。

1.5GTベルトはPLUS 4あたりから採用が始まっていますね。レベリングセンサーはQ2同様なのかそれともEddyのような渦電流での高速レベリングを行うのか。

QIDI Max4:インテリジェンスによる設計、使いやすさに焦点

QIDI Max4には、画像データと印刷コマンドを迅速に処理する高性能プロセッサーを搭載した新しいAI認識システムが装備されています。高解像度カメラを使用して、印刷をリアルタイムで継続的に監視し、スパゲッティやサポート構造の失敗などの問題を特定します。異常を検出すると、プリンターは自動的に一時停止してアラートを送信し、手動による監視の必要性を大幅に削減し、材料の無駄を最小限に抑えます。

検知精度がどれくらいか、届いたらあえて絶対失敗する条件で試してみたいと思います。

新しい大型スクリーンと再設計されたインターフェースは、よりスムーズな指先操作を提供し、インタラクティブな体験を大幅に向上させます。その機能は、QIDI BOXによってシームレスに拡張され、マルチカラーおよびマルチマテリアル印刷を可能にします。最大16色を同時にサポートし、最大65℃の温度での乾燥を提供します。

QIDI Boxたちを連結するHubのリリースが待ち遠しいですね!またQIDI Boxは印刷中でも加熱できるというところが非常に便利です。

高温機能、卓越した精度、および幅広い互換性を統合することにより、QIDI Max4は、マルチカラーの芸術的なモデルからエンジニアリンググレードの複合部品まで、複雑なオブジェクトの高品質なマルチマテリアル印刷を可能にし、プロフェッショナルユーザーに革命的な体験を提供します。

QIDI Max4は既に予約受付中とのことなので詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。

https://psych0h3ad.link/QIDIMAX4

QIDIの新しいフラッグシップ製品として、Formnext 2025でのデビューは、3Dプリンティングにおける同社の成長する専門知識と革新的な能力を強調しています 。市場で最も競争力のある大判3Dプリンターの1つになる態勢を整えているQIDI Max4は、効率の向上、優れたパフォーマンス、およびよりスマートなユーザーエクスペリエンスを提供する強力な新しいソリューションを提供します。

さらに、QIDI公式ストアは本日11月14日からブラックフライデー・サイバーマンデーセールを実施とのことなので日頃購入に悩んでいた方は今がチャンス!アクセサリーやフィラメントを補充するにも良いタイミングですね。

大型3Dプリンターでの悩みはやはり印刷が不安定になり印刷成功率が低いところだと思うのでレビューではそこも重点的にテストしていく予定です。

アンケートコーナー&詳細スペック

QIDI MAX4について

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QIDI Max4 技術仕様

QIDI Max4 技術仕様

Technical Specification

項目 仕様
基本仕様
印刷技術 熱溶解積層方式
印刷サイズ(幅×奥行×高さ) 390×390×340mm
本体寸法 558×578×612mm
梱包寸法 700×710×750mm
本体重量 Max4 Combo:46.5kg、Max4:40kg
総重量 Max4 Combo:56kg、Max4:49.5kg
XY構造 CoreXY
X軸 高硬度リニアガイドレール
Y軸 12mm高硬度リニアスチールシャフト
Z軸 独立2mmリードスクリューモーター×2、12mmリニアスチールシャフト×4
シェル ガラスとプラスチック
筐体 スチール
X/Yベルト 1.5GT 10mm幅ベルト
X/Yモーター FOC閉ループステッピングモーター
プリントヘッド
プリントヘッド温度 最大370℃
エクストルーダー ダイレクトエクストルーダー、硬化スチールデュアルギア
伝達比 8.9:1
ホットエンド セラミックリングヒーター、マルチメタル
ホットエンド最大流量 40 mm³/s(テストパラメーター:単一外壁モデル、QIDI Rapido ABS、280℃印刷温度)
温度測定ユニット 熱電対
ノズル バイメタルノズル
ノズル径 0.4mm、0.2/0.6/0.8mmオプション
フィラメントカッター あり
フィラメント径 1.75mm
ヒートベッド
印刷プラットフォーム アルミプレートシリコンヒーテッドベッド
付属ビルドプレートタイプ 両面PEIマグネティックビルドプレート
対応ビルドプレートタイプ テクスチャードPEIプレート、スムースPEIプレート、クールプレート
ホットベッド温度 最大120℃
ステータスRGB LED あり
速度
ツールヘッド最高速度 800mm/s
最大印刷加速度 30000mm/s²
ホットエンド冷却ファン RPMフィードバック付き4ピンPWMファン
モデル冷却ファン RPMフィードバック付き4ピンPWMファン
補助パーツ冷却ファン RPMフィードバック付き4ピンPWMファン
冷却
マザーボードファン クローズドループ制御
チャンバー循環ファン 高出力ターボ、クローズドループ制御
チャンバー温度 第2世代 最大65°C、独立チャンバー加熱、RPMフィードバック付き4ピンPWMファン
エアフィルター 3-in-1エアフィルター:G3プレフィルター + H12 HEPA + ココナッツシェル活性炭
エクストルーダークーラー あり
フィラメント
対応フィラメント PLA、PETG、ABS、ASA、TPU、PLA用サポート、PLA/PETG用サポート、ABS用サポート、PET、PA、PC、PVA、PLA-CF、PETG CF、ABS GF、ASA-CF、PA6-CF、PA6-GF、PAHT CF、PPA-CF、PET CFなど
密閉印刷 対応
フィラメント絡まり検出 あり(QIDI BOX必要)
フィラメント切れセンサー あり
センサー
自動レベリング ホットエンドに統合されたLoadSetセンサー
インプットシェーパー あり
停電復旧 あり
AIカメラ検出 あり
電源
電圧 110V / 220-240V AC、50/60Hz(地域別モデルあり)
定格電力 150W+500W(チャンバー加熱)+700W(ヒートベッド)
※ヒートベッドが必要温度(35-120℃)に素早く到達するため、プリンターは約3〜5分間最大電力を維持します。
電子機器
ディスプレイ画面 5インチ 800×480タッチスクリーン
ストレージ 32G EMMCおよびUSB2.0フラッシュドライブ
カメラ カメラ(最大1080P)、タイムラプス対応
制御インターフェース タッチスクリーン、モバイルアプリ、PCアプリケーション
接続性 Wi-Fi、イーサネット、USB
WiFi
WiFi周波数帯 2.4 GHz(2.400–2.4835 GHz)/ 5 GHz(5.150–5.850 GHz)
送信電力(ERP) 2.4 GHz ≤16dBm;5 GHz ≤13dBm
プロトコル IEEE 802.11 a/b/g/n/ac
ソフトウェア
スライサー QIDI Studioおよびその他のサードパーティソフトウェア(PrusaSlicer、Orcaなど、ただし一部の高度な機能はサポートされない場合があります)
スライシング用ファイル形式 STL、OBJ、3MF、STEP(.stp/.step)など
オペレーティングシステム Windows、MacOS、Linux

どうも、YuTR0Nです。

APPLE TREE株式会社さんからAD5Xをかなり前にいただいたのでようやっとレビュー記事に。

進化系統で行くとAdventurer 5M (AD5M)からの派生といったところでしょうか。

AD=AdventurerなのでフルネームはAdventurer 5Xといったところでしょうか。

※本記事内のリンクはアフィリエイトを含みます。リンクから購入していただくと本ブログをサポートできます!!

    メインスペックはほとんど一緒ですが実際使っていくうえで重要なポイントだけ見ていきましょう。本体の値段も大事ですがそれ以外のところは皆さん見落としがちですよね。

    AD5MAD5X
    ホットエンド最高温度280℃300℃
    マルチカラー印刷未対応4色(IFS使用)
    デフォルトのノズル4,950円2,750円
    エンクロージャーキット7,150円9,020円
    カメラ後付け必須後付け必須
    消耗品など再入荷未定品あり在庫あり
    お値段49,500円59,400円

    競合品も含めてCoreXY機構でマルチカラー印刷できるものを考えてみるとずば抜けて低価格帯です。AD5M/AD5M Proのフレームを流用?している点やサイズが220mm角かつエンクロージャーがない点による寄与が大きいのでしょうか。また、技術的には4色以上は可能ですが公式でのスペックは4色までです。また単色印刷を推奨なもののTPU95Aなどでマルチカラー印刷も可能です。TPUに関しては固くしてマルチカラーユニットを使えるようにしている競合品はあるものの95Aなどを使えるのはAD5Xの強味ですね。

    マルチカラーCoreXY比較

    マルチカラーCoreXY 3Dプリンター比較

    主要6機種のスペック・価格を徹底比較

    項目 AD5X Anycubic
    S1 Combo
    BambuLab
    P1S Combo
    QIDI
    Q2 Combo
    Core One Creality
    K2 Combo
    画像タップで公式サイト移動 AD5X Anycubic S1 Combo BambuLab P1S Combo QIDI Q2 Combo Core One Creality K2 Combo
    造形サイズ 220×220
    ×220mm
    250×250
    ×250mm
    256×256
    ×256mm
    270×270
    ×256mm
    250×220
    ×270mm
    260×260
    ×260mm
    お値段 59,400円 116,999円 119,000~
    140,000円
    93,999円 218,700円~
    +関税
    124,400円
    拡張性 無し 無し 無し 無し 有り 無し
    カメラ オプション 有り 有り 有り オプション 有り
    消耗品・メンテ 代理店
    (APPLE TREE)
    ほぼなし 公式・代理店 公式・Amazon 公式 未だなし
    ホットエンド 300℃ 320℃ 300℃ 370℃ 290℃ 300℃
    ヒートベッド 110℃ 120℃ 100℃ 120℃ 120℃ 100℃
    ヒートチャンバー 無し 無し 無し 65℃
    (アクティブ)
    55℃
    (パッシブ)
    無し
    エンクロージャー DIYキット 有り 有り 有り 有り 有り
    最大造形色数 4色 8色 16色 16色 5色 16色

    220mm角か250mm以上かというのは長いものを印刷したいときに効きます。斜め配置で印刷できるものであれば1:1:√2で220mmでだいたい300mm程度に対し250mm角では340mm程度まで。

    またマルチカラー印刷がメインかつ小さいサイズのものを大量に印刷する場合若干不利ではあります。パージする材料の量と実際に必要なプリント品に使われる材料の比率を考えるとより多くの印刷物を同時に印刷する方が材料の無駄が減ります。

    ※ただしシングルエクストルーダータイプの場合に限る

    「AD5X購入お悩み相談コーナー」

    小型のCoreXYマルチカラー3Dプリンターが欲しい!AD5Xでいいですか?

    場所を取らないプリンターが目的ならおすすめしません。理由は上部はPTFEチューブやケーブルがせり出していて、側面はスプールホルダーの取り付け、またフィラメントを外すスペースを考えると印刷サイズのわりに場所を使います。印刷サイズは220mm未満コストを抑えたい場合ならおススメです!

    AD5Mの方が安いのでAD5Mを買おうと思いますがAD5Xを買おうか少し悩んでいます。

    確かにAD5Mの方が1万円程度安いですがAD5Xをおすすめします。理由としては0.4mm以外のノズルを使いたい際5Mシリーズより安く、また交換も5Mシリーズより簡単です。それに加え最大4色の印刷、だけでなく使いかけのフィラメントをいくつかセットして使い切るといった使い方もできます。またホットエンド温度も20℃上がることで使える材料の幅が少し広がります。

    ABSメインでの印刷が多いですがエンクロージャーキットを買えばいいですか?

    真夏の間は良いかもしれません!ただ一年通して多く使うなら他のプリンターを選択肢に入れた方がよいと思います。

    AD5Xには複数バージョン?!

    今回の記事投稿のマシンの前にも前のデザインのマシンを使用していました。ぱっと見でわかる違いはスプールホルダー、また現在のマシンが届いた後もホットエンドユニットが形状変更で交換しました。

    マルチカラー印刷の良いところ・悪いところ

    AD5X購入検討している人はそもそもマルチカラーが初めてというパターンが多い気がしますが、まずは一部スライサーで分割してテスト印刷してみるのも良いかもしれません。マルチカラーで作る見た目VSそれぞれ別部品で作る見た目や、マルチカラーで作ることによって時間増加/パージされる材料も見逃せませんね。

    サポート材はテストだったので若干残ってます

    マルチカラーで印刷時間/材料消費を増加させてしまう要因としていくつかあるので軽くまとめて書いておきます。

    色の多さ

    基本ではありますが色が増えれば色の数だけ色切り替えで時間が増えます

    レイヤー高さ・積層厚

    積層ごとに色変えで発生するパージの量は変わらないためレイヤーを薄くすると積層数が増えてパージの量が飛躍的に増えます。厳密にはスライサーが優秀なので2層先に印刷して別の色に切り替えてくれたりもしますがそれでも廃棄する材料が増えます。

    同じレイヤー内での色の使用数

    最近スライサーのアップデートでマルチカラー印刷のパージタワー設定が増えたため単色で印刷できる層はなるべく多い方が時短になります。またデザインで工夫するという方法も。ハロウィンも近いのでPrintablesでみつけたコースターを印刷しましたがこのデザインはマルチカラー機能のないプリンターでも印刷できるようなデザインになっています。

    モデルはこちら:https://www.printables.com/model/1434370-ornamental-skull-stackable-coasters

    色の明暗

    白いフィラメントと色の濃いフィラメントの組み合わせなど。ノズル内に色残りしないようにパージしないといけないため廃棄する材料が増えます。例えば赤を使って次白に行く場合フラッシュ量をケチると出始めは変にピンク色になってしまいます。フラッシュ=パージかなと個人的に思っています。

    多色印刷例

    こちらはPipeCoxさんのモデル:https://cults3d.com/en/users/PipeCox

    こちらはMcGybeerさんのモデル:https://www.printables.com/@McGybeer

    翻訳がちょっと怪しいのですが「続く」を押すと再印刷してしまうのでくれぐれも注意してください。英語でもPrint Againとかにしてほしいですね…。

    マルチカラー印刷した際は通称Poopと呼ばれるものがたくさん出来ます。コンセント付近などにたまる羽目になると思いますので後ろに箱など用意して定期的に捨てましょう!

    その他印刷やマシンについて

    JRRF2025でも入口に掲げていたMakerChipホルダーも実は試作をAD5Xで全部行いました。

    https://makerworld.com/ja/models/1514840-makerchip-holder-by-p3d#profileId-1603126

    サイズは220mm角なもののスライサーの分割機能やLubanを使うことで大物の分割印刷も可能です。LubanはUIが古めかしいですが最近Kickstarterで登場したSplit3rをバックしたのでそのうち記事にします。Lubanはお試し可能なので気になる人はまずは試用ライセンスをGetしてみてください。

    純正ビルドプレートのハンドル部は上下非対称で最初のパージラインが干渉する場合があるためスライサー側でGcodeをカスタムする、もしくは単純に裏面を使いたい場合はねじを3箇所はずしてハンドルをひっくり返して固定したらいいかと思います。私は途中からプレートを社外のArkfly ConWebビルドプレートにしてしまいました。というのもAD5Xは基本PLA/PETGのみの印刷で使っているため糊やスプレーなしでズボラに運用したかったためです。

    またエンクロージャーがないことにも由来していると思いますがフィラメントチェンジの音が若干やかましく感じます。

    他の競合マシンと比較して実際使う際に注意しないといけない点としてはZ軸ホーミングの際一番下まで下がるためフィラメントを放置したり道具を放置しないようにしてください。

    底面が真っ平なところは清掃性が高くていいですね。リードスクリュー・リニアブッシュ共にねじが隙間に入ってしまってエラーを引き起こすこともないデザインなのでいいですね。(BambuLab P1/X1の場合リニアブッシュの溝にねじなどが入ってしまう)

    プリントヘッドケーブルS字フックには要注意です。我が家のマシンは何らかのタイミングでフックが壊れてしまったので応急処理状態ですが、フックを付け忘れもしくは壊れた状態で使っているとケーブルがツールヘッド側に巻き込まれてしまいます。

    組み立てた後やメンテナンス後は確認お忘れなく!

    またフィラメントの乾燥をしたかったのでChitu SystemsさんにいただいてるE1をつなげています。

    E1:https://amzn.to/42CEIPe

    PTFE継ぎ手:

    ただしこれも注意点があって完璧ではないです。フィラメントの色が切り替わった後若干フィラメントが数cm押し戻されてくるのですが純正のフィラメントホルダーと違って巻き戻す機構がないためボックス内でフィラメントが強引に曲がってしまいます。PLAならいいかもしれないですが艶消し系やシルク系PLAだとちょっとしんどいかもしれません。

    カメラはオプション

    APPLE TREEさんでは現在取り扱いはなかったのでAliExpressにて購入。取り付けはAD5Mなどの取り付けと同様なのでAD5M向けの取り付け解説を見ればOKです。

    https://s.click.aliexpress.com/e/_c4Lpj7gB

    スライサー:Flash PrintではなくOrca-Flashforge

    AD5XからはOrca-Flashforgeを使用します。

    AD5Xベースの画面説明ではないですが基本的なセットアップは代理店公式ガイドを参考にしてみてください。

    FLASHFORGE
    【Orca-Flashforge】使用方法について アカウント登録とインストールにつきましては【Orca-Flashforge】ソフトウェアのインストール方法をご確認ください①New Projectより新しいプロジェクトを作成します ②前回...

    Flashforgeさんに改善してもらいたい点としてはプリンター側で設定しているフィラメント情報をスライサー側に同期できない点です。プリンターで設定しているものと同じようにスライサー側でもいちいち設定する必要があります。

    総評

    4色のマルチカラー能力とこの値段は現在購入できるCoreXYタイプのマシンの中ではやはり見逃せませんね。共振補正機能はありますが流量自動補正などはないのでそちらはスライサーに従って実施する必要はありますがマルチカラープリントをするにあたって必要な機能は全部そろっているので驚異的です。

    また以前他社機種ですっぽ抜けて困ってしまったPTFEの合流部分も非常に強固で良さそうです。

    AD5Xは”MOD”しやすい?!

    MOD…改造ですね。AD5M/AD5XはどちらもフレームデザインがSTEPファイルで公開されています。一部のねじ穴など微妙な違いを除けばほぼ同じフレームを使用しているのでAD5M向けのMOD部品も流用が多く可能です。

    フィルター向けの部品エリアなども同じですね。(中はないですが)

    AD5M/5XともにフレームのSTEPファイルが公式で配布されています。重ねてみると細かな違いが一部あるものの9割以上共通デザインといえますね。

    また5M/5M Pro向けにコミュニティ有志が作っているカスタムファームなども5Xで使えたりしますがあくまで自己責任にて。Klipper WebUIにアクセスできるようにすることでベッドが実際本当はどの程度歪んでいるのかといった情報を確認もできます。

    5XはKlipperベースですがライセンス準拠せず未だ公開していない状態です。既にリリースして数か月たっているので早く対応してほしいところですね。ここは引き続きAPPLE TREEさんからFlashforgeに問合せしてもらっています。

    https://github.com/FlashForge

    購入先

    APPLE TREEさんのストアもしくはAmazonにて購入可能です。AmazonではAPPLE TREEさん以外に本家も出品しているようですので日本でのスムーズなサポートを期待する場合はAPPLE TREEさんが出品している方から購入するのがお勧めです。

    Amazonではここをチェック!