SnapmakerとPhaetusが2026年9月22日、3Dプリンター「Snapmaker U1」向けの「Snapmaker × Phaetus Liber High Flow Hotend for U1」を発表。フィラメントを溶かして送り出す能力を高めた交換用ホットエンドで、大型モデルなどを印刷する際の効率向上を狙った製品です。
U1本体の使い勝手や、実際に使って感じたことはSnapmaker U1の実機レビューにまとめています。
実は、このホットエンドのプロトタイプは、3月に上海で開催されたTCT Asia 2026ですでに見ていました。そのときの様子は、こちらのInstagramリールでも紹介されています。今回は製品として正式に発表されたので、仕組みや公表された性能を見ていきます。
価格は単品が34.99米ドル、4本入りのバンドルが119米ドル。実際の販売価格は市場によって異なります。
特徴は、Phaetusの「Liber Split-Flow Melt Channel」を採用した内部構造です。RapidoX同様ですね。材料の流路を分岐させ、体積に対して熱が伝わる表面積を増やすことで、フィラメントの中心部まで効率よく熱を届けるとのこと。DLCコーティングを施した焼入れ鋼ノズルと、精密加工したシームレスなヒートブレークを組み合わせ、U1専用のホットエンドとして一体化しています。
Phaetusや親会社Runiceのものづくりについては、以前のRunice/Phaetus独占インタビューでも詳しく聞いています。

メーカーによると、エネルギー使用条件をそろえた比較試験では、U1用ステンレススチール製ホットエンドに対し、体積流量がPLAで66%、ABSで87%、PETG HFで43%向上したそうです。
| 試験に用いた材料 | 体積流量の向上率 |
|---|---|
| PLA | 66% |
| ABS | 87% |
| PETG HF | 43% |
※メーカー公表値。比較対象はU1 Stainless Steel Hotend。エネルギー使用条件をそろえた試験による。
体積流量とは、ホットエンドが1秒間に送り出せる溶融材料の量のこと。大きなモデルの外周や広いインフィルを高速で造形する際には、プリンターの移動性能だけでなく、材料を十分に溶かして供給できるかどうかも制約になります。Liberは、この溶融・供給能力を高めるためのアップグレードといえます。
ただし、「体積流量が最大87%向上」という数値は、そのまま印刷速度や造形時間の改善率を示すものではありません。実際の所要時間はモデル形状や加減速、冷却、スライサー設定などにも左右されます。メーカーが主な用途として挙げるのも、大型モデルや長い連続押出経路など、材料供給能力が速度の制約になりやすい造形です。
耐久性にも配慮されています。ノズルには硬さHV 725〜780の焼入れ鋼を用い、耐摩耗性を持たせるDLCコーティングを施しています。ヒートブレークは内面の表面粗さをRa 0.2 μm以下とし、精密な加工と接合面の設計によって、材料の付着や漏れ、詰まりの低減を図っています。メーカーは、比較試験で糸引きや樹脂のにじみも減少したと説明しています。
Snapmakerは今回の共同開発を、専門メーカーとの連携を通じてU1の用途を広げる取り組みと位置づけています。大きな実用品や試作部品を繰り返し印刷するU1ユーザーにとって、ホットエンドの溶融能力を高める選択肢が加わることになります。
そして、このLiber High Flow Hotendは記事の下書きを書いてる間はちょうど空を飛んでいて…我が家にもそろそろ届く予定です。今回は発表内容の紹介になりますが、実際の造形時間や仕上がりにどのくらい違いが出るのか、到着後に確かめたいと思います。
製品情報:Snapmaker × Phaetus Liber High Flow Hotend for U1
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