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自宅では20台以上の3Dプリンターを含め、多数のWi-Fi機器やIoT機器を接続しています。
これまでルーターはずっとBUFFALO製品を使ってきました。インターネット周りには疎いのでよく聞いたことあるし設定引き継ぎできるなら…と盲目に。直近ではWi-Fi 7対応のハイエンドモデル「WXR18000BE10P」を使用していましたが、最近どうも挙動が安定しないことに加え、木造住宅にもかかわらず階下へ十分に電波が届かないことが気になっていました。
そこで今回、TP-LinkのトライバンドメッシュWi-Fi 7システム「Deco BE9300 2-pack」へ入れ替えました。
利用回線は楽天ひかりのファミリープランで、最大通信速度は上下1Gbpsです。今回はプライムセールで、Deco BE9300の2台セットを45,730円で購入できました。
この記事では、実際の設置方法、楽天ひかりのクロスパス設定でつまずいた点、IoT機器やFast Roaming、6GHz、MLOなど、導入直後に確認した内容をまとめます。
※設定画面や項目名は、2026年7月時点のDecoアプリおよびファームウェアに基づきます。
今回の環境
- 回線:楽天ひかり ファミリープラン 1Gbps
- 旧ルーター:BUFFALO WXR18000BE10P
- 新ルーター:TP-Link Deco BE9300 2-pack
- IPv4 over IPv6サービス:楽天ひかり クロスパス
- Decoアプリ上の接続方式:Xpass
- 接続機器:3Dプリンター、PC、スマートフォン、IoT機器など多数
Deco BE9300は、6GHz・5GHz・2.4GHzのトライバンドWi-Fi 7に対応しています。公称無線速度は合計最大9.3Gbpsで、各ユニットに2.5Gbps対応のWAN/LAN自動判別ポートを4つ搭載しています。接続可能台数は200台以上とされています。
詳細な仕様はTP-Link公式製品ページで確認できます。
購入と開封
Deco BE9300は簡易包装版
今回Amazonで購入したDeco BE9300は、一般的な店頭向けパッケージではなく簡易包装で届きました。
外箱は無地の段ボールで、貼られたラベルには「Deco BE65と同等商品です」「本商品は簡易包装です」と記載されています。

中身はDeco本体2台、電源アダプター2個、Cat5e LANケーブル、簡易マニュアルという構成です。外箱にコストをかけないAmazon向け商品と考えれば、特に問題はありません。
実際の購入価格は2台セットのDecoの方が安かった
購入履歴を確認したところ、WXR18000BE10Pは2024年に49,392円で購入していました。
対して今回のDeco BE9300は、プライムセールで2台セット45,730円。最初からこういう製品に出会ってたらもっと幸せだったかもしれません。
WXR18000BE10P:49,392円(2024年・1台)
Deco BE9300:45,730円(2026年・2台セット)
差額:Decoの方が3,662円安い
単体ルーターと2台のメッシュシステムなので性格は異なります。それでも、自宅環境では約5万円の単体ルーターより、約4.6万円で2台を配置できるメッシュの方が電波範囲と使いやすさの両方で満足度は高くなりました。
設置と配線
ONUのLANポートが1つしかないけど、WXRは残すべき?
設置時に最初に迷ったのが配線です。
ONUにはLANポートが1つしかないため、既存のWXR18000BE10Pを残し、そこからDecoへLANケーブルを接続する構成も考えました。
ONU
└─ WXR18000BE10P
└─ Deco
しかし、WXRとDecoを両方ルーターモードで動かすと二重ルーター構成になります。今回はWXRを使っていた環境の不調も含めて切り分けたかったため、WXRは完全に取り外し、ONUと親Decoを直接接続しました。
最終的な構成は以下です。
ONU ── 親Deco ))) 子Deco
ONUのLANポートが1つなのは問題ありません。その1ポートを親Decoへ接続し、残りの有線機器は親Deco側のLANポートへ接続します。有線ポートが足りなくなった場合は、親DecoのLAN側へスイッチングハブを追加できます。
付属ケーブルはCat5eだった
Deco BE9300にはLANケーブルが1本付属しています。確認するとCat5eでした。
本体が2.5Gbps対応なので、Cat6AやCat8へ交換した方がよいのか少し迷いました。しかし、現在の楽天ひかりは1Gbps契約なので、短いONU―Deco間であれば付属のCat5eで十分です。
Cat6Aへ交換しても問題はありませんが、今回の1Gbps回線でCat8を使う実用的なメリットはほぼありません。まずは付属品で動作確認することにしました。
今後1Gbpsを超える回線へ変更する場合や、宅内配線を新設する場合はCat6Aを選ぶ予定です。
セットアップ
BUFFALOから乗り換えて感じた圧倒的な使いやすさ
これまでルーターはずっとBUFFALO製品を使ってきましたが、Decoのセットアップ体験はかなり衝撃的でした。
正直、使いやすさは圧倒的です。
基本的にはDecoアプリをインストールし、画面に表示されるガイドへ従って進めるだけ。親Decoの接続、SSIDとパスワードの設定、子Decoの追加まで、専門的な知識がなくてもサクサク進められます。
従来のルーター管理画面で設定項目を探して回る感覚とは違い、スマートフォンだけで導入が完結します。メッシュの追加、接続端末の確認、IoT用ネットワークの作成なども分かりやすくまとまっています。
今回、楽天ひかりの接続方式ではつまずきましたが、それ以外のセットアップ体験はかなりよかったです。
旧ルーターと同じSSID・パスワードを設定
多数の3DプリンターやIoT機器を1台ずつWi-Fiへ再登録するのは大変です。
そこでDecoのメインネットワークには、WXR18000BE10Pで使っていたものと同じSSIDとパスワードを設定しました。BuffaloのSSIDの皮を被ったDeco爆誕。
SSID、パスワード、暗号化方式が一致していれば、ルーター本体が別メーカーへ変わっても、多くの端末は以前と同じネットワークとして自動的に再接続します。
ただし、同じSSIDをDecoへ設定する前に、旧ルーターの電源は完全に切っておきます。同じ場所で同じSSIDの異なるネットワークを同時に動かすと、端末が意図しないルーターへ接続する可能性があります。
また、Wi-Fiへ再接続できても、DHCPで割り当てられるローカルIPアドレスは変わる場合があります。スライサー、Klipper、Home AssistantなどへIPアドレスを直接登録している場合は、再検索やアドレス予約のやり直しが必要になる可能性があります。
また以前と異なるのは同じSSIDでも2.4/5/6GHzが機器によって切り替わるというところ。面倒なので2.4GHzの名前でSSIDを作ってるものの中身はもう違うものです。
最大のつまずきは楽天ひかりの接続方式
楽天ひかりで利用されるIPv4 over IPv6サービスは「クロスパス」で、通信方式としてはDS-Liteに分類されるらしいです。
Decoの接続方式一覧には、以下のような項目が並んでいました。
- Dynamic IP
- PPPoE
- v6プラス
- IPv6オプション
- OCNバーチャルコネクト
- transix
- Xpass
- v6 connect
- Other DS-Lite
ここがかなり分かりにくいポイントです。
クロスパスがDS-Lite方式だと分かっていると、「Other DS-Liteを選べばよいのでは」と考えてしまいます。しかし、楽天ひかりでは専用項目の「Xpass」を直接選ぶのが正解でした。
初回ファームウェアアップデート後に設定が維持されなかった
初期セットアップでは楽天ひかりへ接続できていましたが、導入直後にファームウェアを更新すると、インターネットへ接続できなくなりました。
今回の環境では、アップデート前に使用していた楽天ひかり向けの接続方式が維持されなかったようです。確認中には「transix」と表示されていた場面もありました。
復旧を試みる過程で「Other DS-Lite」を選択したところ、保存後には「v6 connect」が選択された状態になりました。しかし、transixもv6 connectも楽天ひかりのクロスパスとは別のサービスなので、この状態では接続できませんでした。
チャッピーに相談したところ「Xpass」に繋げとのお達し。
最終的には、以下の設定で復旧しました。
Decoアプリ
→ その他
→ 詳細設定
→ インターネット接続
→ IPv4
→ Internet Connection Type
→ Xpass
→ Save

いっぱい並んでますがXpassが正解です。
楽天ひかりの場合は、transix、v6 connect、Other DS-Liteではなく、最初から「Xpass」を選択します。
アプリのガイドに従えば簡単に導入できるだけに、初回アップデートでWAN側の設定が維持されなかったのは完全に盲点でした。ファームウェア更新後も既存の接続方式を維持するか、少なくとも「接続方式を再確認してください」と案内してほしいところです。
同じ症状が起きた場合は、すぐに初期化せず、まずIPv4の接続方式がXpassになっているか確認するのがおすすめです。
Xpassの設定場所はIPv6タブではなくIPv4タブ
もう一つ分かりにくかったのが設定場所です。
クロスパスは「IPv4 over IPv6」なので、IPv6設定の中にあるように思えます。しかし、DecoアプリでXpassを選択する場所はIPv4タブです。
Xpassへ変更後、子Decoの復帰には少し時間がかかった
Xpassへ変更すると、親Decoのインターネット接続は復旧しました。
ただし、子Decoがメッシュネットワークへ戻るまでには少し時間がかかりました。
ファームウェア更新やWAN設定変更後は、子Decoも再起動し、親Decoとの接続やメッシュ情報を再確立します。アプリ上で一時的にオフライン表示になっても、すぐに初期化せず、数分から10分程度は待った方がよさそうです。
今回はしばらく待つことで、親Decoと子Decoの両方が正常に復帰しました。
ネットワーク設計と機能設定
2.4GHz固定のIoTネットワークも作成
Decoでは、メインネットワークとは別にIoT機器向けのSSIDを作り、使用する周波数帯を固定できます。
今回は将来のトラブル対策として、2.4GHz専用のIoTネットワークを別SSIDで作成しました。
現時点では既存のプリンターをすべてIoTネットワークへ移さず、メインSSIDで問題が発生した場合の予備として用意しています。
古いIoT機器や3Dプリンターでは、2.4GHzにしか対応していない、2.4GHzと5GHzが同じSSIDだと初期設定できない、バンドステアリングとの相性が悪い、といった問題が起きる場合があります。その場合は、問題が発生した機器だけを2.4GHz固定のIoT用SSIDへ移す予定です。
Fast RoamingをONにして様子を見る
メッシュを導入したので、Fast RoamingもONにしてしばらく様子を見ることにしました。
対応端末であれば、スマートフォンやノートPCを持って家の中を移動したとき、親Decoと子Decoの間をスムーズに切り替えられます。
一方、Fast Roamingは802.11rを利用するため、古いWi-Fi機器や一部のIoT機器では接続に失敗する場合があります。TP-Linkも公式FAQで、接続できない端末が発生した場合はFast Roamingを無効にするよう案内しています。
2階の3Dプリンターが1部1階のものに繋がったりしてて興味深いです。
3Dプリンターのように設置場所から動かない機器にはFast Roamingのメリットはほぼありませんが私のスマホとかで恩恵を受けるがためだけに使ってます。
MLO用SSIDはひとまずOFF
Deco BE9300は、Wi-Fi 7のMLO(Multi-Link Operation)に対応しています。
MLOは5GHzや6GHzなど複数のリンクを同時に利用し、対応端末との通信速度、遅延、安定性を改善する機能です。
ただし、今回はルーター交換直後なので、まずは通常のメインネットワークで安定性を確認するため、クライアント向けのMLOネットワークはひとまずOFFにしました。
今後有効にする場合は、メインSSIDやIoT用SSIDとは別にMLO専用SSIDを作り、Wi-Fi 7対応端末だけを接続する予定です。
メインSSID:従来の端末と6GHz対応端末
IoT用SSID:2.4GHz固定
MLO用SSID:Wi-Fi 7/MLO対応端末のみ
MLO用SSIDのON/OFFは、クライアント端末向けネットワークの設定です。クライアント向けMLO用SSIDとは別に、Deco同士の経路や使用帯域はシステム側で自動管理されます。
現在の楽天ひかりは1Gbpsなので、MLOを有効にしてもインターネット回線自体が1Gbpsを超えるわけではありません。主なメリットは、Wi-Fi 7対応端末との無線リンク、ローカル通信、電波状況に応じた安定性の向上です。
使ってみた感想
同じSSIDのまま6GHzへサクサクつながるのがアツい
実際に使い始めて特によかったのが、同じSSIDのまま6GHzへ接続できることです。
利用者側で2.4GHz、5GHz、6GHzのSSIDを毎回選び直す必要はありません。対応端末なら、Deco側が利用できる帯域や接続先ユニットを判断し、高速な6GHzへ接続してくれます。
日常的な操作は以前と変わらないのに、対応端末では6GHzの高速通信を利用できます。このサクサク感はかなりアツいです。
6GHzは壁や床を通過しにくい周波数帯です。今回、階下でも快適になったのは、親機から6GHzが強く貫通しているというより、2台のDecoによって利用場所の近くにアクセスポイントを配置できた効果が大きいと思います。
単体ルーターの最大速度だけでなく、必要な場所へメッシュノードを置けることの方が、実際の使い勝手には効いてきます。
WXR18000BE10Pとの体感差
WXR18000BE10Pは、見た目もかなり厳つく、価格もそれなりにするハイエンドモデルでした。
しかし、少なくとも自宅の木造住宅では階下まで電波が十分に届かず、スペックの高さを活かし切れていませんでした。
無線環境は間取り、設置場所、壁や床の材質、周囲の電波状況によって大きく変わります。そのため、WXR18000BE10Pがすべての環境で弱いという話ではありません。それでも今回の自宅環境では、単体の高性能ルーターよりDecoを2台配置した方が明確に使いやすくなりました。
Decoは外観も比較的シンプルなので、リビングや階下へ子機を置きやすい点も気に入っています。アンテナが目立つ大型ルーターと違い、メッシュノードを生活空間へ置く心理的なハードルが低いです。
Deco同士の無線バックホールは何GHz?
親Decoと子DecoをLANケーブルで接続しない場合、Deco同士は無線バックホールで通信します。
この通信は「6GHzだけ」といった単一帯域への固定ではありません。TP-Linkの製品説明では、Deco側が通信状況に応じて最適な経路と帯域を選択し、Wi-Fi 7のMLOもワイヤレスバックホールへ活用すると案内されています。
近距離や見通しのよい場所では5GHzと6GHzを中心とした高速な通信が期待できます。床や壁で6GHzが弱くなる環境では、より届きやすい帯域へ比重を移すと考えられます。実際に使われるリンクは、ユニット間の距離、障害物、干渉、負荷によって変化します。
BE9300の仕様は2.4GHz・5GHz・6GHzの3バンド構成で、独立した第4のバックホール専用バンドは記載されていません。これらの無線リソースを端末接続とバックホールで共有する構成です。
可能であれば、2台をLANケーブルで接続して最大2.5Gbpsの有線バックホールにするのが最も確実です。ただし、現状の無線バックホールでも1Gbps回線を利用するには十分な余裕がありそうです。

今後試したいこと
炎天下は爆速ネットで在宅勤務したい
これから本格的な夏になり、外へ出るのも厳しい炎天下の日が増えてきます。
そんな日は無理に出社せず、在宅ワークを中心にしたいところです。自宅のネットワークは会社より速いので、通信環境だけを見れば自宅の方が快適かもしれません。
同じSSIDのまま家の中を移動でき、対応端末は6GHzへ接続。オンライン会議、クラウド作業、ファイル転送をしながら多数の3Dプリンターも接続する環境では、単純な最高速度だけでなく、家全体をカバーできることが重要です。
1Gbps回線ではまだ本気を出し切れていない
現在使用している回線は楽天ひかりの1Gbpsプランです。
Deco BE9300は各ユニットに2.5Gbps対応ポートを4つ搭載し、無線側もWi-Fi 7、6GHz、MLOに対応しています。インターネット用途だけを見ると、まだ本体性能を使い切れていません。
楽天ひかりでも10Gbpsプランへ変更したいところですが、現在の環境では選択できる10Gbpsオプションがありません。
なお、Deco BE9300の有線ポートは最大2.5Gbpsなので、10Gbps回線を契約しても、この機種単体で10Gbpsをフルに取り込めるわけではありません。それでも1Gbpsを超えるマルチギガ回線で、実際にどこまで速度が出るのかは試してみたいところです。
10Gbps回線やNASなどを組み合わせた、在宅ワーク・多数端末環境での検証案件があれば、ぜひお待ちしています。
まとめ
BUFFALOのルーターを長年使ってきた自分からすると、Decoのアプリを中心としたセットアップ体験はかなり新鮮でした。
親機の設置、メッシュの追加、SSID設定、接続端末の管理、IoT用ネットワークの作成まで、基本的にはアプリの指示へ従うだけで進められます。使いやすさについては、導入直後の時点でもかなり高く評価しています。
一方、導入直後のファームウェア更新で楽天ひかり向けの接続設定が維持されず、インターネットへ接続できなくなった点は惜しいところです。最新版にはXpass専用項目が用意されているため、更新後もその選択を維持してほしかったです。
それでも、WXR18000BE10Pを2024年に49,392円で購入したのに対し、Deco BE9300は2台セットを45,730円で購入できました。今回の自宅環境では、より安い実購入価格で電波範囲と使いやすさの両方を改善できたため、現時点では買い替えてよかったと感じています。
同じSSIDのまま6GHzへサクサク接続でき、階下でもメッシュ経由で快適に使えるのはかなりアツいです。
今後は多数の3Dプリンターを接続した状態での長期安定性、Fast Roaming、2.4GHz固定のIoTネットワーク、Wi-Fi 7対応端末でのMLOなどを確認し、使用感を追記していきます。
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