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どうも、YuTR0Nです。
深センに行ってきた際に、卓上UVプリンターの「Morpho」のオフィスへ行ってきました。製品マネージャーのPonyさんに案内してもらいました!
実際に印刷してみるとかなり速いです。また、展示されていたピラミッドは薄いフィンまでUVインクで造形されていて、他にはバーニッシュ(ニスみたいな存在)でレンズを作ったものも。普段3Dプリンターを使っていると、つい細かいところまで見てしまいますね。操作や消耗品、メンテナンスの話も聞いてきたので、併せて紹介します。
【9月16日追記】早割価格は日本時間9月18日0:00に終了予定!Standard Packは1,799→1,999米ドル、Pro Packは2,999→3,299米ドルへ。支援を考えている方は、価格改定の詳細もチェックしておいてください。

本記事は2026年8月28日の訪問時の説明・実演をもとに構成し、製品仕様と販売情報は2026年9月5日に公式情報を確認しています。
Morphoはどんなブランド?
Morphoは光を利用したヘアドライヤーなどを開発してきたZuviが立ち上げたブランドで、公式Kickstarterにもその背景が載っています。Ponyさんに聞いたところ、既存企業の開発基盤を使い、発想から実機になるまで約3年かけてきたそうです。
ちなみにZuviは、ドライヤーのあとに「ColorBox」というヘアカラー用の機械も作っています。赤・黄・青の3色のヘアカラー剤とベース剤を、好みの色になる配合で出してくれるものです。ドライヤーから髪を染める色を作る機械、そして今回のUVプリンターと、なかなか面白い流れですね。
展示スペースにはスマホケースや小物がいろいろ並んでいました。写真やイラストを印刷したもの、白インクを使った絵柄、表面が盛り上がったものなど。まずは実際に試したスマホケースの印刷から見ていきましょう。

スマホケースに印刷してみる
使用するソフトはMorpho Studioです。画像を読み込んで背景を除去したら、ベッドに置いたケースの位置を取り込んで、そこへ絵柄を配置していきます。印刷したくないところはマスクで調整し、白とカラーを何層ずつ印刷するかもここで設定します。絵柄はケースを適用に斜めに置きましたが自動に斜めにフィットして配置されました(もちろん後から傾きを調整することも可能です)

今回は「Snapshot」でケースの位置を取り込んでいます。画面にケースが写るので、そこへ絵柄を重ねながら位置を合わせ、ケースの形に沿って印刷しない部分も調整していきました。ちなみに、背景除去にはクラウドを使うそうです。
最終的には白インクを2層、その上にカラーを1層印刷する設定にしました。ケースに色が付いているので、まず白で下地を作っておくわけです。上の画面はまだ調整途中で、層の設定もこのあと変更しています。
解像度は高くすればいい?
今回のケースはカメラ周りなどに段差があり、Ponyさんからも難しい対象だと言われました。高精細な印刷で使う小さなインク滴は、ヘッドと印刷面が離れるほど扱いが難しくなるそうです。
というのも、高い部分にヘッドをぶつけないようにすると、印刷したい低い面からは離れてしまいます。なので、解像度を一番高くしておけばいいというわけでもなく、平らな板と今回のような段差のあるケースでは設定も変わってくるようです。
印刷が爆速!
印刷が始まると爆速!白い下地を重ねて、その上にカラーを印刷している間もインクや使い方の話を聞いていたのですが、もう残り20秒。そのあとすぐに完成してケースを取り出せました。今回は小さな絵柄の印刷ですが、目の前で仕上がるとやはり速さを感じますね。3Dプリンターの速度に慣れきっている体には早すぎる完成速度でした…。

画面上では印刷時間4分52秒、インク使用量0.0611mL、インクコスト0.0054ドルと出ていました。ただし、これは今回の絵柄と設定からソフトが出した見積もりです。スライサーの見積もりみたいな感じですね。
各色のインクをどれくらい使うかも印刷前に出てくるので、同じ小物を何個も作る場合は、必要なインク量を見てから始められます。連続印刷考慮して何個とか入れて見積もりも出る機能があるといいかも?!Ponyさん是非!
このくらいの待ち時間なら、1個印刷してから位置や大きさを少し直して、もう一度試すハードルが低いですね。ただ3Dプリンターとは違ってもちろん印刷対象も消費されるわけなので何度も調整するわけにはいきませんが。
印刷中にはライブビューも見せてもらいました。白い下地にカラーが重なっていく様子を、画面でも確認できます。
白下地とカラーの印刷・完成品
こちらが印刷中の様子です。カバー越しですが、先に白い絵柄が出て、その上にカラーが載っていくのが分かります。白2層→カラー1層と設定した順番で進んでいます。


取り出したケースを近くで見ると、もともとの細かいシボの上にロゴと文字が載っています。上の2枚はカバー越しなので、取り出してから撮った下の写真とは色味をそのまま比較できません。表面の仕上がりを見るなら、こちらの接写の方が分かりやすいです。

バーニッシュを多めにした仕上がり
こちらはスマホケースとは別に、バーニッシュを多めにして印刷したものです。写真でも表面のツヤが分かるかと思います。特に手で触ったり擦れたりと、摩擦がかかるものなら、バーニッシュは多めにしておきたいですね。

ただ、縁のところはちょっと気になります。下の接写を見ると、白い面の外周が少しギザっとしていますよね。今回はオブジェの輪郭がこういう形で認識されていて、そのマスクの形がそのまま印刷されています。

こういう四角いモノなら、認識したマスクを自動補正して、きれいな四角に整えてくれる機能があるとさらによさそうです。毎回細かく手直しするより、直線や角をうまく拾ってくれると助かりますね。
あとはIllustratorのファイルなどを、カットデータ付きでインポートできるようになってほしいところ。絵柄と一緒に、印刷する範囲の輪郭も持ち込めると使いやすそうです。
それにしても、せっかくフルカラーで印刷できるのに、なんでロゴばかり試していたんだろう。写真とかカラフルなイラストも印刷しておけばよかった。アホすぎ!
UVインクで作ったピラミッドと、凹凸のある作例
UVプリンターはインクを吹き付けてUV光で硬化させるもので、MorphoではCMYKのカラーインクと白インク、バーニッシュを使います。展示スペースには、このインクを積み重ねて作ったものも並んでいました。
普段使っている3Dプリンターではフィラメントを積み重ねて形を作りますが、UVインクも重ねれば触って分かる凹凸やレリーフになります。スマホケースに絵柄を載せるだけでなく、インク自体で立体的なものも作れるんですね。

特に右側面の非常に薄いフィン状の部分。これだけ薄いのに、よれることなく形を保っています。普段3Dプリンターで印刷している身としては、この薄さでちゃんと形が出ているのが気になります。また、表面の細かな横線も意図して付けたテクスチャだそうです。
表面のテクスチャ
絵画風の作例も、近くで見ると絵柄に沿って線や盛り上がりが付いています。角度を変えると光り方も変わるので、画像だけを印刷したものとは結構印象が違いますね。


絵柄だけでなく油絵のような立体感やタイル風に盛り上げといった2Dではできない2.5Dの魅力がありますね。

地図の作例
こちらはニューヨークの地図です。文字や建物が盛り上がっていて、低い角度から見ると高さの違いがよく分かります。上から見える絵柄も細かいですが、横から見た凹凸も細かいです。こちらは平面画像に対してソフトで凹凸を大まかに支持するとあとはソフトがいい感じにしてくれるみたいです。


蝶のサンプルは、透明感のある層に厚みと艶があります。光の反射や背景で見え方が変わりますが、写真のとおり層には黄味もあります。これは以前の試作とのことで黄ばんでいますが実際はレンチキュラーの後述の例のように透明で出せるとのことです。特に造形の細かいモデルなど3Dで出すと壊れてしまうようなものでもクリスタルへ閉じ込めた風のこのスタイルで印刷することで360度鑑賞できるアイテムが作れるのでもちろんこの蝶のような標本風のものから人の3Dスキャン、VTuberなどキャラのモデル封入なども楽しめそうですね。

レンチキュラーとマイクロレンズ
レンチキュラーやマイクロレンズを使った作例もありました。角度を変えると、見える絵柄が変わるものです。これは写真1枚よりも動画の方が分かりやすいので、下の動画を見てみてください。
角度を変えたときの見え方。取材動画から切り出した、同じ試作サンプルの連続映像です。
下の2枚は同じサンプルを違う角度から見たところ。向きによって、はっきり見える絵柄が変わっています。


バーニッシュでレンズも印刷できる
Ponyさんの話では、既製のレンチキュラーカードに画像を印刷する方法のほか、バーニッシュでレンズ自体を印刷する方法も試しているそうです。バーニッシュを艶出しに使うだけなら分かりますが、レンズまで作るというのは面白いですね。
また、細かな凹凸の両側へ別々の絵柄を印刷して、見る方向で画像を切り替える作例もありました。既製のレンズに印刷するのか、レンズごと作るのか、凹凸の両側を使うのかと、作り方もいくつか試しているようです。
マイクロレンズはアクリル板の両面に印刷
マイクロレンズの作例は、用意したアクリル板の片側に画像、反対側に細かなレンズ状の構造を印刷するそうです。近くで見ると、表面に細かな点状の構造が並んでいます。

ただし取材時は、まだ社内で作り方やパラメーターを検証している段階でした。2026年9月5日時点の公式サイトには「Lenticular Effects」「Micro-Lens Effect」が載っていて、Morpho Studioにもレンチキュラー印刷の項目があります。今回の各サンプルに必要な材料や設定、同じ仕上がりをどれくらい出せるかまでは確認できていません。
本体の中と、タッチパネルの操作
本体の蓋を開けたところがこちら。ベッドとヘッド、レールの配置を見せてもらいました。Morphoは印刷対象を前後に動かすのではなく、ヘッド側がX・Y方向に動くようになっています。Ponyさんの話では、蓋を閉じた状態で印刷範囲を確保するために、この構造にしているそうです。

印刷範囲は、蓋を閉じた状態で330×220×168mm。A3 Printbedを使う場合の印刷面積は420×330mmです。通常の印刷範囲は本体内に収まり、大きな素材には拡張ベッドを使います。公式仕様
ヘッドが横のレールに沿ってX方向へ動き、そのレールを支えるガントリー全体がY方向へ動きます。公式の構造解説にも、印刷対象を前後へ移動させるためのスペースを外側に取らずに済むとあります。設置スペースの考え方は、3Dプリンターでいうベッドスリンガーか箱型か、みたいな感じですね。ベッドが前後に動くタイプは、その分のスペースも空けておかないといけないので、置き場所を考えるとここも結構大事です。

StandardとProの違い
| 項目 | Standard | Pro |
|---|---|---|
| プリントヘッド | F1080(XP600) | i3200 |
| ノズル数 | 1,080 | 3,200 |
| 公称解像度 | 1,440 DPI | 2,400 DPI |
| 最大エンボス高さ | 5mm | 60mm |
| 公式掲載のEarly Bird価格 | 1,799米ドル | 2,999米ドル |
レリーフの高さは、公式内でも記載が違うので注意が必要です。仕様表ではPro最大60mmですが、FAQの別回答ではMorpho Studioのレリーフ印刷は5mmまでとされています。高さのある作品を目当てにするなら、どのソフトと手順で作れるのかは購入前に確認した方がよさそうです。
ヘッドを下から見たところです。インクを吐出するノズル面の脇にUV硬化用の光源があり、吹き付ける部分と固める部分がどう並んでいるのか、こちらからだとよく分かります。

位置合わせ用のカメラとセンサー
操作パネルの下側にはカメラと赤外線の投影部が並んでいて、ベッドに置いたモノの位置・高さ・印刷面の輪郭をここで捉えます。

2台のカメラで少し違う位置から同じモノを撮り、見え方の差から位置や高さを求めます。模様の少ない面でも比較できるように、赤外線の構造化光も組み合わせているそうです。測距と画像認識の仕組みについては公式のステレオ視解説にも載っています。
公式CGで見ると、カメラと対象物の位置関係が分かりやすいですね。実機で見せてもらったセンサーが、ここで位置や輪郭を捉えているわけです。


位置合わせには「Smart Alignment」と「Snapshot」があり、認識する内容や処理速度に違いがあるそうです。今回のケースではSnapshotを使いました。画面に写ったケースへ絵柄を配置していましたが、その位置を取り込むためにこうしたセンサーを使っています。公式が出している既製品アイテムへの刻印かそれ以外かでの使い分けですね。
公式仕様では位置合わせ用のカメラが8MP×2基。そのほかに表面の細部を取り込むカメラやライブビュー、色校正の機能もあるので、役割をまとめておきます。
| 光学系・機能 | 公式に説明されている役割 |
|---|---|
| 2眼8MPカメラ+構造化光 | 対象物の位置・高さ・輪郭を捉え、デザインを配置する。 |
| 5MPマクロカメラ/ReliefScan | 表面の細部を取り込み、2.5Dのレリーフ表現へ使う。 |
| 2MPライブビューカメラ | 印刷室内の様子を画面で確認する。 |
| 分光測色・色校正 | 色情報を測定し、出力の色をそろえるために使う。 |
表面の取り込みについては、こちらの公式CGも分かりやすいです。カメラで読み取り、表面の凹凸をデータにする流れが描かれています。


取材では、色を測って出力を校正する分光測色の話も聞きました。こちらは位置合わせとは別で、カメラの数だけを見ても役割が分かりにくいですね。詳しくはカメラ・センシングの公式仕様にも記載があります。
タッチパネルは操作しやすい
本体上部のタッチパネルも画面の反応が滑らかで、操作しやすかったです。表示設定の変更や保存ジョブの選択も、本体の画面からできます。

こちらはスライダーで画面の明るさを調整しているところです。画像の編集はPCのMorpho Studioで行いますが、本体の前でも設定やジョブを操作できるので、作業中にここで済ませられるのは便利ですね。
本体から再印刷もできる

保存ジョブの右側には「Reprint」ボタンが並んでいます。Ponyさんに聞いたところ、直近10件の印刷プロジェクトを本体に自動保存し、PCをつなぎ直さずに再印刷できるそうです。同じコースターを続けて印刷するなら、完成したものを取り出して次の素材を置き、この画面から同じジョブを呼び出せます。
治具で位置をそろえておいて、この再印刷を使えば、同じ小物を何枚も作るときに毎回PCへ戻らなくて済みます。繰り返し印刷するなら、本体側でできるのは助かりそうです。
メンテナンスはどうする?
印刷が綺麗にできるかも大事ですが、使い続けるなら普段のメンテナンスも見逃せません。UVプリンターは印刷していない間も液体インクとノズルの状態を保つ必要があり、ここは3Dプリンターとは扱いが違います。
Ponyさんの話では、Morphoは日常の維持に洗浄液・保湿液を使わず、インクの自動吐出などでノズルを保つそうです。公式の技術解説では、ヘッドや流路の材料への影響を抑えたインク配合と、自動撹拌・循環・吐出を組み合わせています。ただし自動保守には電源を入れておく必要があります。使わない日は電源を切っておけばいい、という扱いではない点は覚えておきたいですね。
側面カバーを外したところ
正面だけでなく、側面のカバーを外したところも見せてもらいました。外すとメンテナンス用の開口部や取っ手が見えます。


廃インクボックスやフィルターは、こちらの右側面から取り出します。外装を外すと、その奥のカバーや取っ手の配置もよく分かります。
ワイパー、廃インクタンク、フィルターなどはモジュール単位で交換できる設計。消耗する部品なので、交換できるかだけでなく、どこからどう取り出すかも実物で見られたのは良かったですね。
ワイパーと廃インクボックス
ヘッドは右側の待機位置へ戻り、そこのメンテナンス領域でワイパーがノズル面を拭きます。写真もヘッドが右側へ寄っているところです。

ノズルを拭く部分は、公式CGだと内部まで見えます。布とローラーの配置もこちらで確認できます。

こちらが廃インク用のボックスです。自動吐出や清掃で出たインクを集めるもので、中には吸収材が入っているそうです。ノズル面を拭くワイパーとは別の部品になります。

ワイパーの交換目安は約300回の清掃サイクル、中程度の使い方なら約3か月と聞きました。使う頻度で変わるので、実際の交換時期は製品の案内に沿って判断してください。
活性炭フィルターと外部排気

こちらは内部を循環する空気をろ過する活性炭フィルターです。外部排気用の接続部を3Dプリントする方法も紹介されました。臭いを抑える設計ではありますが、設置時の換気や廃インク・消耗品の扱いについては製品の案内を確認してください。
白インクの沈降対策
白インクはカートリッジで撹拌し、流路でも循環させています。それに加えて公式の技術解説では、ヘッド近くのダンパー内のインクもY方向の加減速で動かし、待機中は微量吐出で入れ替えるなど、沈降を抑える対策を説明しています。
また、公式Kickstarterにはヘッドやダンパーを加熱して粘度を管理する仕組み、布を使うワイパー、ノズルの不調を検出して出力を補うソフト処理も載っています。インクを循環させるだけでなく、ヘッド周辺の温度や汚れ、実際の出力まで見ているようです。

補充インク・自作治具・本体のカスタム
インクはCMYKと白、バーニッシュの6色です。カートリッジは本体側面に並んでいます。

今回付いていたのは通常のカートリッジですが、別にユーザーがインクを補充できるリフィル用の選択肢も紹介されました。
互換性のあるサードパーティ製インクも使うことを想定しているそうです。適合確認や切替時の洗浄などは必要になりますが、本体を買ったあとも消耗品は使い続けるので、補充式や互換インクを選べるのはありがたいですね。

こちらはゴルフボール用の治具です。ボールを受ける穴が並んでいて、同じ位置へ繰り返し置けるようになっています。こうした治具を3Dプリンターで作り、表面の絵柄はUVで印刷する使い方はよさそうですね。複数個作るたびに置き直して位置を合わせるより、治具でそろえられる方が作業もしやすいと思います。

公式のCreator Resourcesには、自作治具、電気的な接続インターフェース、SDK、詰め替え式インクが挙げられています。固定するだけの治具にとどまらず、周辺の機構まで自作することを考えているようです。実際に作る際は、必要なデータやSDKが公開されているか、どこまで対応しているかも確認してください。
静電マット
平らな素材向けには静電マットもありました。表面の電荷で素材を保持するものです。


紙は保持できましたが、プラスチックの袋は微妙でした。使うには平らで広い面がマットに接している必要があります。金属には使えません。静電マットの公式ガイド
外装にも印刷できる
先ほどの側面カバーにも絵柄やテクスチャを印刷して本体をカスタムできます。ちょうど収まるサイズなので一発目のお試し印刷にも良さそうです。外装のデザインデータも紹介されていて、公式のカバーパネル設計ページには左右の寸法とSTPテンプレートが公開されています。
自分の絵柄を印刷したり、木目や布のような質感を付けたりもできるそうです。治具を作るだけでなく、使っているプリンター自身にも印刷して外装を変えられるのは、個人的に結構好きです。
色校正とフルカラー3Dについて
色の校正には内蔵の分光測色機能を使い、印刷結果を画面上で予測するソフトプルーフもあると聞きました。インクやヘッドの状態が変わったときに出力を調整するためのもので、今回は色差を測って比較するところまでは試していません。

また現在は2D/2.5Dにフォーカスしているものの3Dの細かい作例も見せてもらいました。小さなフルカラー立体物は実験的な用途で、通常の2D・2.5D印刷とは材料や工程が違います。Ponyさんはこの立体サンプルの解像感にはまだ改善の余地があると話していましたが…このサイズでこれくらい出ればいいんじゃない?と思ってしまう自分がいます。
特殊インクを使うフルカラー3Dは、公式仕様でもPro側の項目になっています。作例は面白いのですが、これが作りたくて選ぶなら、材料が手に入るか、どういう手順で作れるかまで先に確認した方がいいですね。今回見た範囲では、やはり2D/2.5Dが主軸で既存のモノへの印刷や、表面に凹凸のある質感を付ける使い方が主力という感じでした。
他の卓上UV機と比べてどうなのか
他の卓上UV機と比べるとどうなのか。今回はケースや板材への印刷を中心にした卓上UV機と、フルカラーの立体造形まで扱う複合機の公表情報を見比べています。
洗浄液と互換インク
比較した卓上UV機では、日常の維持に洗浄液・保湿液を含むカートリッジを使います。Morphoは純正インクと通電中の自動保守で維持するので、普段はそのカートリッジが要りません。使う日と使わない日がある場合も含め、インク以外に管理する液体消耗品が減るのは助かりそうです。Morphoの保守設計
ただし、比較したフルカラー3D対応の複合機も、通常のクリーニングには洗浄液を使わず、第三者インクの利用を認めています。なので、ここだけでMorphoならではの強みとは言い切れません。個人的には、補充式インクに加えて自作治具など使える想定をしている点が、Morphoを選ぶ理由になりそうです。互換インクはMorphoでの適合条件や切替手順も確認してください。
載せられる重さと、盛り上げられる高さ
公称の印刷荷重はMorphoが最大10kg、比較した卓上UV機の標準ベッドが1.5kg、複合機が6kgです。重い部材や治具を載せるならこの差は見ておきたいですね。また、盛り上げ表現の公称上限はProが60mmで、Standardは5mm。ただし先ほどの公式内の記載差もあるので、高さについては公称値だけでなくソフトの対応範囲も確認してください。Morphoの公式仕様
Proは白とバーニッシュに各2チャンネルを割り当てていて、色と凹凸を重ねる印刷を重視しています。一方でフルカラー3D対応の複合機は、立体造形用の備品や材料も含めて選ぶことになります。Morphoで見た立体サンプルはまだ実験的なものなので、標準で使える造形機能とは分けて考えた方がよさそうです。
普段の手入れもしやすいか
数字を比べることもできますが、使う際には印刷するモノをどう置くか、消耗品をどう取り出すかも見ておきたいです。今回は薄いフィンの作例に加え、蓋の下のヘッドやセンサー、側面のワイパーや廃インクボックスまで見せてもらえたので、普段手を入れる場所の配置もよく分かりました。
比較は2026年9月4日時点のメーカー公表情報に基づきます。同じ条件で速度・画質・維持費を実測した比較ではありません。
総評
実際に触ってみると、スマホケースの印刷はかなり速かったですし、タッチパネルも操作しやすかったです。作例ではピラミッドの薄いフィンがよれずにできていたのが特に印象的でした。バーニッシュでレンズまで印刷しているものもあり、小物に絵柄を載せるだけではない使い方も見せてもらえました。
ただ、今回はあくまで訪問中に触った範囲です。普段使うとなると、以下も確かめたいですね。
- 長期運用:しばらく印刷しなかったあとにノズルがどうなっているか、清掃でどれくらいインクを使うか、部品をどれくらいの頻度で交換するか。
- 凹凸のある対象物:ヘッドと印刷面の距離に応じた設定や、位置合わせにどれくらい手間がかかるか。
- ソフト:タイムラプスは訪問時点では開発中でした。マスクの輪郭補正や、カットデータを含むインポートにも期待したいです。
- 特殊な表現:レンチキュラーやフルカラー立体物に必要な材料、作業時間、同じ仕上がりを繰り返し出せるか。
個人的には、3Dプリンターで治具を作って、同じ小物に繰り返し絵柄を印刷する使い方を試してみたいです。部品の形は普段の3Dプリンターで作れるので、そこへフルカラーの絵柄や質感も付けられるとなると、作りたいものは増えそうですね。
あと、実際に会社まで行けたのは大きかったです。R&Dエリアには筐体が剥き出しのMorphoが大量に並んでいて、ちゃんと製品を作っているんだな、というところを自分の目で見られました。展示用の完成した実機だけでなく、こういう開発中の現場まで見せてもらえたのはよかったです。
クラファンだと、そもそも会社はちゃんと存在するのか、本当に開発しているのか、というところから気になるものもありますよね。今回はオフィスで実機を触って、R&Dエリアも見られたので、そのあたりの不安はだいぶ払拭できました。せっかく直接行ったので、ここを見られたのは収穫でしたね。
Kickstarter・製品情報
早割価格は日本時間9月18日0時まで
支援を考えている方は、価格の切り替わりも要チェックです。MorphoからEarly Bird価格の終了と値上げが案内されています。公式FAQでの切替時刻は2026年9月17日8:00(米国太平洋夏時間・PDT)。日本時間では9月18日0:00なので、日本から支援する場合は9月17日中が目安になります。

| 対象Pack | Early Bird価格 | 改定後の価格 |
|---|---|---|
| Standard Pack | 1,799米ドル | 1,999米ドル |
| Pro Pack | 2,999米ドル | 3,299米ドル |
Standardで200ドル、Proだと300ドルの差なので、これは結構大きいですね。支援するつもりだった方はお忘れなく!
すでに支援している場合は、今選んでいるリワード(支援プラン)を維持する限り、元の価格のままです。ただし、値上げ後に別のリワードへ変更すると、その時点の価格が適用されます。デポジット予約者に約束されている特別価格も、今回の値上げの対象外とのこと。支援・変更するときは、Kickstarter上の表示価格と送料・税金も確認してください。
2026年9月5日時点ではKickstarterでキャンペーン中です。公式FAQによると、工場からの出荷開始は2026年12月〜2027年1月を予定していて、日本も配送対象に含まれています。モデルごとの内容、配送費、税金に加えて、出荷予定は変更される可能性があるので最新情報を確認してください。公式FAQ
Kickstarterはクラウドファンディングなので、在庫のある商品を買う場合とは違います。今回実機を触ることはできましたが、量産品の納期や長期間使った際の品質まで確認できたわけではないので、その点も含めて検討してください。
Morpho公式サイト / Kickstarterキャンペーン
MorphoのKickstarterキャンペーンを見る(紹介リンク)
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取材協力:Morpho(PonyさんとJadenさん)
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