【3Dプリンター】初めての1台ならこれ! 多機能フィラメントドライヤー SUNLU Fila Dryer S2

 

どうも、YuTR0Nです

 

サンステラさんからこの度SUNLUの新作フィラメントドライヤーFila Dryer S2を提供していただきました。結論からいくとSUNLUの初代S1ドライヤーと比べ大幅に改善されているので非常に良い製品でした。レビュー内容に制限はない!ということですので自由奔放にレビューしていきます!

 

 

フィラメントドライヤーとは?

読んで字のごとく、フィラメントを乾燥させるための装置です。冬場は影響は比較的出番が少ないですが、梅雨時期~夏は必須アイテムです。FFF式3Dプリンターの印刷材料であるフィラメントはどのタイプでも空気にさらされている間空気中の水分を取り込んでしまい"吸湿"している状態になります。吸湿しにくい素材でも長期間放置した場合徐々に吸湿していきます。

 

有名どころでいくとPolymaker、eSUN、EIBOS、CrealityそしてSUNLUなどで取り扱っています。

 

吸湿のわかりやすい例はフィラメントがホットエンドから出てくる際プチプチパチンパチンと音がする場合です。PolysmoothなどのPVBフィラメントだとあからさまに音がでるためわかりやすいです。

 

 

はじけている音が聞こえるものの、見た目的には材料が押し出されるので問題なく印刷できるように見えますが、実際にはひどい状態で出来上がってくるのでお勧めしません。時間がない時でも吸湿しやすい素材はしっかりと乾燥してあげましょう。

 

▼強引に吸湿したPolysmoothフィラメントで印刷した例。

 

遠目から見る分には印刷はもちろん完走していますが、1層目がひどくあれていたり、不規則な荒れ・糸引きが目立ちます。とりあえずなんでもいいから!という場合でない限り無駄になってしまいますね。こちらは強引に水につけたわけではなく2週間かそこら部屋で放置していただけのものとなります。素材によってはこれくらいシビアに影響が出ます。

 

▼乾燥後の印刷物

左が乾燥後です。


1層目も違います。今回はビルドプレートの清掃をしてなかったせいで汚く見えてしまいますが...乾燥後のほうが圧倒的に綺麗です。(左が乾燥後)

 

乾燥前より加速度、印刷速度ともに上げたにも関わらずさらに綺麗な積層に。左が乾燥後です。PVBだからアルコールをかければ!と言いたいところですがここまで行くと厳しそうですね。今度アルコールをかけた後の比較写真も追加する予定です。

 

また、メジャーな素材であるPLAフィラメントの場合は開封当初にくらべてパキパキ折れる場合は吸湿しているサインです。

 

カーボンブレンドのナイロンフィラメントなどは印刷条件を変えていないにも関わらず大量にひげが生えてきます。

 

S1からの変更点・競合製品との比較

最大温度が55℃から70℃に改良されたためナイロン、PCなどといった素材の乾燥に適した温度まで昇温することが可能となりました。PLAは問題ありませんでしたがABS、PC、ナイロンなどを使う人からするとS1スペックでは少々物足りない状態でした。

 

それ以上の温度で乾燥するとなるとTESCOMの低温調理器を使うのがおすすめです。

 

温度の面でいうとEIBOSの2連タイプを所有しているのですが、やはり場所をとるのでもっぱらただの乾燥機になっています。

本体もPSE取得済み

AliExpressなどでも買うことはできますが今回のサンステラさんからのモデルはACアダプタのみならず本体ともにPSE認証を取得済みのモデルとなります。

 

以前Crealityのフィラメントドライヤーを福袋でゲットしたのですがふとACアダプタがPSE認証品でないことに気がつきました。

 

プリンターと違って組み立て品ではなく完成品として売り出されているものですので少なくともACアダプタにはPSE認証が欲しいところです。Amazonで販売されているモバイルバッテリーの関係で一時期問題にもなりましたね。

 

このことをサンステラさんにTwitterのDMで伝えたところ調査の上Crealityが自主回収へと動いてくださいました。

 

対応を即座に取ってくださる代理店はなんとも頼もしいものです。もちろん必須ではないのですがやはり組み立て品ではなく火災を引き起こす可能性のある製品ゆえPSEが取得されているというのは非常に安心できます。

 

もちろん日本語の詳細な取説付きなので初心者でも安心して操作できます。今回はリパックされる前の本体にPSE認証済みの社外ACアダプタという組み合わせで提供してもらいましたが実際にクラウドファンディングのリターンとして発送されるものはPSE認証済みのセットとなります。

全周ヒーター

S1では上半分はヒーターが付いていませんでしたが、S2では蓋部分にもヒーターが取り付いています。加熱効率も30%向上しているとのこと。70℃とは言っても乾燥中外側を触った感じ火傷しそうな温度ではありませんでした。サーマルカメラがあれば説得力のあるレビューができるのでサーマルカメラを取り扱っているメーカー様からの依頼お待ちしてます!

 

タッチパネル

機能的には同じレベルの製品もありますがやはりこの大画面は操作しやすく快適でした。フルカラーなどでもないので無駄に電気を食うわけでもないのが良いですね。

 

代表的な素材ごとのプリセット

S1含む競合製品でもあまりない機能です。PLA/PETF/TPU/ABS/PVA/PA/PCといった代表的な素材であればプリセットから簡単に設定が可能です。

 

タイマー機能

S1と違い自由な時間でタイマーを設定可能です。やはりドライヤーというだけあって熱を帯びるものですのでタイマーでしっかりと切れてくれると安心できますね。

 

ライティング機能

緑の円形ライティングのオプションは常灯、回転、消灯を選べます。

 

実際の性能

70℃でeSUNのを14時間ほど乾燥させたところ12%まで下がりました。部屋の環境、フィラメントスプールの材質、吸湿具合もあるので素材によってはそこまで下がらない場合もありますがフィラメントドライヤーとしての役目はしっかりと果たしてくれました。効果自体は最初に載せたPolysmoothで一目瞭然ですね。

 

 

S2単体でももちろん良いですが更に効果を向上させるならOZOやシリカゲル乾燥剤、またPTFEチューブでエクストルーダーまで覆ってあげるのもよいかもしれません。

 

 

微妙だった点

本体底部形状

デメリットではないですが、ラウンドシェイプなボディデザインに豚さん貯金箱のような足が生えた形状なのでマシンへのマウントを考える際は少々デザインに凝る必要があるかもしれません。現在KickstarterでPledgeしたCR-Scan Lizardが中国と日本の間のどこかで止まっているので到着次第スキャンを試みてみようとは考えています。

 

欲を言えば棚などにマウントしたいユーザー向けに1/4ネジなり何か対応したマウント用のネジ穴もしくはマウンターデザインがあるとなお良いかもしれません。

 

蓋の閉まり具合

1発でパチッと毎回綺麗にしまってくれるわけではないので今後改良されたら更に良いと思いました。フィラメントドライヤーはどこのものも蓋の閉まり具合の安定性は微妙な気がします。

 

今ならお得に入手可能!

クラウドファンディングが6/15から開始しているのでまだまだ続くジメジメした季節への心強い相棒としていかがでしょうか?クラウドファンディングというと届かない・数か月の遅延・試作品がくるといったネガティブなイメージが目立ちがちですが、今回のS2は既に世界で4.5万台出荷もされており、また複数ブランドの代理店であるサンステラさんからなので安心できるファンディングですね。

greenfunding.jp

クラウドファンディング後はサンステラさんのショッピングサイトで取り扱うと思われますのでこちらも要チェックですね。

sunstella.co.jp

またSUNLUの日本向けTwitterアカウントもあるのでフォローしておくとよいかもしれません!

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